日生劇場「雨に唄えば」宝塚星組

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52. 日生劇場「雨に唄えば」宝塚星組

ユーザ名: yasuko
日時: 2003/5/16(22:49)

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<p>日生劇場「雨に唄えば」宝塚星組を観て来ました。

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<p>まず、公演開始時の「本日はようこそお越しくださいました。星組の安蘭けいです。」のあいさつが、品がなく不良っぽくて、男っぽくてたまらなくかっこよかったです。だから安蘭けいって好きよ。

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<p>まさか、雨に唄えばを本当に雨に濡れながら唄うとは思っていなかったので、驚きでした。よくあそこまでやったなと感心します。唄いにくそうで、風ひかないかなとかとか、あの後滑ったりしないかとか、心配になったけど、やるもんだなと思いました。あれだけの量の水あのあとどうしたんだろう。

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<p>タップは帝劇「ミーアンドマイガール」本間・涼風、四季「クレイジーフォーユー」の群舞を見た後だけに、ちょっと迫力にはかけました。

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<p>この公演を見るまでもなく、気が付いていたことではありますが、大和、安蘭、真飛と専科のかたが舞台に立つと、安心して見れます。下級生との実力の差があまりにあり、ちょっと演技がへたすぎて、見れらないシーンもありました。ヒロイン役のキャシーはなぜあの娘が選ばれたのだろう。顔がかわいいからかな。声がよく、唄がうまい設定だから、もっと他にいなかったのかしら。。と思ってしまいました。このヒロインがもっとよかったら、さらにいい公演となったのでおしいと思います。

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<p>それにして、安蘭けいさんの男っぷりは見る度にあがっていって、若いころの轟悠をしのぐ勢いです。今の実力で十分トップやれるのではと思います。とにかくかっこいいです。女とは思えない。かっこいい〜!!

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<p>最後の公演後のフィナーレを観ると、やっぱ宝塚いいなーと思います。仮に芝居がつまらなくても、この華やかなフィナーレ観ると、きてよかったと思います。燕尾での群舞も決まっていました。

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<p>公演とは関係ないけど、リナって本当に悪い娘かしら??と、途中でかわいそうになりました。だって、今までこきつかわれてちやほやしておきながら、新しい技術がでたとたん、おはらいばこなんて、なんか今のリストラの世の中のよう。会社の戦略や技術がかわったとたん、いらない人間は切り捨てるって悲しいわ。面白い公演だったけど、心底笑えなかったのは、いつか私もリストラなるんだろうなとか思ってしまったからかしら。。リナは悪い人ではないと私は思います。

キャシーって本当にいい娘かしら??先輩を何もできないとか悪く言うのも、今の会社の新入社員で礼儀のない若者をみているようで、あまり好きになれなかったし、魅力を感じることができませんでした。そう、この公演の最大のおしい点は、ヒロインが魅力的でなかったという点です。下級生ではなく、もっと実力のある人がやったほうがよかったと思います。
リナのほうが、あそこまでばかっぽいと、なにか憎めずかわいく思えました。フィナーレでは、男役でかっこよく決めて、リナの声を出したところなどは拍手喝采で大うけでした。熱演賞ものですね。

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<p>あれこれ不満な点はありますが、楽しい舞台でした。雨見るだけでも見る価値あるかな。千秋楽残っていたら観たいけど、無理だろうな。最後にもう一度、安蘭さん、いいです!!水もしたたるいい男でした。かっこいい!!

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56. Re: 日生劇場「雨に唄えば」宝塚星組

ユーザ名: 金子
日時: 2003/5/27(11:05)

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こんにちは。金子です。「雨に唄えば」の感想書きました。ほとんど「トウコ賛」のようになってしまい、その上コラム付なので、また長くなってしまいました。よろしくお付き合い下さい。

「雨に唄えば」
宝塚星組 日生劇場公演
5月24日 1階XC20
5月25日 1階O列8(カード会社貸し切り)

ブロードウェイ・ミュージカル
「雨に唄えば」〜SINGIN IN THE RAIN〜
演出:中村一徳

<解説&ストーリー>
 MGM映画で1952年にジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズの主演で製作され大ヒットした作品をもとに、1983年にロンドン版、1985年にブロードウェイ版として舞台化されたミュージカル。
 モニュメント・スタジオではロマンチック大作映画「闘う騎士」の制作中。しかしトーキーの参入により映画作りが一転。大慌てで歌やダンスを加えたミュージカルに仕上げることになる。それまで名コンビだったドン・ロックウッドとリナ・ラモントだったが、問題はリナの悪声。そこで、友人のコズモ・ブラウン、キャシー・セルダンに励まされ、キャシーがリナの吹き替えをすることとなる。試写会は大成功。しかし、その試写会でのスピーチで、リナの声が映画と余りにも違うと驚きの声が上がり・・・。
 無声映画からトーキーに移り変わる頃のハリウッドを舞台にサイレント映画のスター・ドンが長年の相棒コズモとキャシーの3人で、本物のミュージカル映画を作ろうと奮闘する様を明るく描く。
 中村一徳の初の海外ミュージカル演出となる。(ちらしより)

<久しぶりの東京>
 こんなことを書くとどんなおのぼりさんかと思われるだろうが、昨年の『風と共に去りぬ』はチケットが全然手に入らなくて、結局、昨年は上京しなかった。普段、兵庫県の片田舎に住んでいると、○学生時代は東京暮らしをしていても、二年ぶりとなると「東京に行く」と身構えてしまった。航空券の予約(新幹線より安かったので)、ホテルの予約、など大きいことから始まって、コンタクトの買い替え(良く観えるように今まで0.8しか見えていなかったのを、1.2にしてもらった)、旅行用品をそろえるなどこまごましたことまで結構大変であった。それでも、CS放送で初日の様子を見るとか、メイキングの様子を見たりしていると、「ああ、トウコさん頑張ってほしいな」と普段大劇場に行くより胸わくわくであった。また、予習もしっかりしなくてはいけないと思って、梅田ヨドバシカメラ(大阪にも出来たのです。東京をしのぐ繁盛振りですよ)は10%offということだったので、原作映画のDVDも買った。自分としては万全の状態で上京したかったのだ。

<予習>
 上に書いたように、梅田ヨドバシカメラで注文取り寄せして「『雨に歌えば』50周年スペシャルエディション」というDVDを約3000円で購入した。現物をまったく見ないうえで注文しての購入だったので、家に帰る電車の中でパッケージをじっくり見た。すると、2枚組で1枚目は本編と音声解説で123分、2枚目はドキュメンタリー2本と『雨に唄えば』で使われている曲は書かれたもともとどのように映画で使用されたかと未公開シーンと音声だけの録音模様と盛りだくさん178分であった。全部見るのに2日かかった。しかし、本編だけでも、手持ちビデオやCS放送で放送されたものとちがって、デジタル処理されているのだろうか、とてもクリアでDVDならではであった。「50周年」ということで発売は去年らしいが、まだメーカーに在庫があるそうなので、じっくり勉強して、ミュージカル映画の世界を広げたい方には購入をお勧めする。

<メイン・キャスト>
ドン・ロックウッド(映画スター):安蘭けい
コズモ・ブラウン(ドンの長年の親友):大和悠河
キャシー・セルダン(女優志願のコーラスガール・ドンの恋人):陽月華
リナ・ラモント(映画女優・悪声の持ち主):真飛聖
R・F・シンプソン(映画所長・プロデューサー):星原美沙緒
ドラ・ベイリー(有名映画コラムニスト):藤京子
ロスコー・デクスター(映画監督):萬あきら
ゼルダ・サンダース(映画女優・リナの友人)/緑のドレスの女:五峰亜季
ミス・ディンズモア(リナの発声の指導者):万里柚美

<感想>
「客席にいても笑顔が絶えない心躍る快作」

 はじめ、『雨に唄えば』の舞台をやる、と聞いたときに、映画を知っているので、「ああ、まあよほどのことがない限りコケないだろうな」と思った。そして、主演が安蘭けいときいて、ファンなので東京へ行く決心をした。
 このミュージカルが映画公開から50年以上たつのに名作とされ人々に愛されているのは、人間が人生を生きるうえでの喜びを謳いあげる、という誰にでも体験があり、一番共感が出来るテーマを取り上げているからに他ならないと思う。今回の舞台もそのテーマは変わることがないので、観ていると、日常の胸のつかえも一時忘れられ、「生きることはいろいろあるけれど、こんな楽しいことなのだ」という爽快感に溢れるのである。2回目のカード貸し切りの時は、ほとんどが初見の観客だったのにスタンディングオベーションがあったのは、「ああ、こんな気分の良くなるものをみせてくれて有難う。楽しかったわ。」というスタッフ・出演者に対しての感謝の気持ちの表れだろう。金子もSS席で観ているときは、ひたすら笑っていて、すっかり舞台の世界の中に入ってしまえた。今年に入ってからの宝塚の舞台で最高に良かった。「観劇なんて贅沢な」という御仁もいるが、「映画で感動するのと同じで、ただ生身の人間のパフォーマンスを観て感動しているのだから、原理は同じよ。一度観たら分かるわ。」と自信を持って言い返したくなる舞台であった。とにかく東京までいった甲斐は十分あった。DVD出たら買うぞ。

 さて、細かい内容について書くが、台詞や振付のほとんどが映画と変わっていないのには驚いた。台詞は映画の字幕とそう変わっていないし、振付はタップの部分や、「ブロードウエイ・メロディ」の部分でも後ろの背景やセットまで映画そのもので、ダンスは出来る限り映画に近づけた、という感じで踊っているジェンヌさんの努力に乾杯だ。しかし、リナの人物像やリナのソロなどは映画より膨らませてあっても舞台と映画の乖離がほとんど感じられなかった。また、訳詞なのだが、主題歌は英文科出身でない金子ですらわかる英語であるが、日本語の立場に立って考えると、簡単な歌詞ほど、日本語訳するのが難しいだろうな、という印象を受けた。「なんとか日本語にしました」という感じがややするのでもう少しこなれた日本語にして欲しかった。例えば「Would You」が「どうぞ」では、「それでは元の英語がプリーズだろう」と思ってしまった。日本語というものは難しいものである。

 それと、最後に宝塚のミュージカルではお馴染みの、フィナーレナンバーがついたのは嬉しかった。特に最後に安蘭が歌い上げる「ユー・アー・マイ・ラッキー・スター」というところは気持ちがいいほど声が出ていたので思わず鳥肌が立った。

 とにかく、極上の曲、ストーリー、皆さんの努力、すべてが心地よく「こんな楽しい気分になっていいのかしら」と思うほど楽しかった。いいものをみせてもらった。あとは出演者別に。

 ドンの安蘭けい(トウコ)。CS放送のメイキングでは、「私にはジーン・ケリーさんは出来ません」と言っていたし、久しぶりに楽屋入りを見たのだが、あの細い(これ以上痩せないで下さい)、神経質そうな感じの人がどうして舞台に立つとこうなるの、と思えるぐらい、この作品はトウコにとっての「ジャズ・シンガー」になった。
 実は行きの飛行機の中で思っていたのは「うーん、『華』は大和のほうがあるだろうから、いかに今回トウコが主役然と出来るかがこの舞台の成否にかかるし、これからの彼女のキャリアに関わる勝負どころとなるだろうな」ということであった。しかし、今回、舞台に立つ彼女は有無を言わさない力で中央にいて光を放つ「主役スター」であった。

 ドンという人物は、表向きに見えるのは、芸人から映画の大スターになってしまったものだから、キャシーに会うまで自信満々で、素行も育ちと映画界という世界に身をおいているためか「品行方正」というわけではなく、キザっていて肩で風を切っているようなところがあるが、人物はピンチに陥ったら、すぐに対処法を考え出せるので、頭の回転はよく、自分の仕事に対しては責任感があり、また人に対しては誠実で、男気がある、というキャラクターであると思った。ジーン・ケリーの映画は、どうもスターという感じがあまりしなくて、男気というより優しさ、という印象を受け、演出の意図か、役作りか、ここまでドンのキャラクターが変わるとは思わなかった。

 さて、このキャラクターをトウコは、まず、「キザる」ところは女性がやっている、ということはハンディどころか、宝塚の男役の「キザり」を利用して、その上「あくどさ」まで加えて軽々とやっていた。大体、宝塚の男役だから、失礼だが、燕尾やタキシードがジーン・ケリーより似合う。男役の「キザり」に関しては、皆さんお分かりで書く必要もないだろうから、ここではあえて「あくどさ」について書いておこう。「あくどさ」というのは一時代前なら「クサさ」と良く言われていたが、平明に書くなら「そのスター独自のアピール」である。金子の27年の宝塚観劇歴で感じるのは、大なり小なり歴史に名を残す人は皆、この「あくどさ」があった。(だから、「ナチュラル論」を提唱した、元月組トップ天海祐希などは、金子にとってはいまだに「ルックスでトップになった人」で終わっている−ファンの方ごめんなさい−)ピンとこない方は、月組の紫吹淳の「アク」を思い出していただければいい。金子は以前、「トウコは『あくどさ』がもっと出たらいいスターになれる」とよく思ったのだが、完成した。それは第一声の台詞の「(間をおいて、ちょっと斜に構えて)ねえ、ドラ」というところではっきりした。あの、何人ものスター相手に少年役専門のようにやっていた人と同一人物とは思えなかった。客席で「ああ、『安蘭けいの男役』が完成したな」と思った。

 もう1つ危惧していたのは「あの、ジーン・ケリーの頭の上にお日様があるような陽性をどう表現するのだろう」ということだった。というのは、金子のなかでトウコの印象、というのは『エリザベート』陰鬱→『イカロス』繊細→『プラハの春』情熱→『ガラスの風景』渋さ というのばかりで、1つも「明るい」というのがなかったからだ。しかし、これも杞憂に終わった。あの瞳が、あるときはいたずらっぽく、あるときはユーモアをたたえて、あるときは真剣に、あるときはシャイにとくるくる表情以上に変わるのである。それを観ているだけで楽しかった。上に書いたドンのキャラクターを裏切ることなく、舞台人における「眼力」の魅力を再確認させられ、今回は最後にはその瞳に「威厳」まで感じた。その瞬間、安蘭けいは今までのレッテルの「実力派」から「スター」に変わったな、と実感した。

 また、ジーン・ケリーと比べるのはダンスに関しては酷だが、歌に関してはどの歌もトウコにとっては簡単すぎる歌ばかりのような気がして、歌い上げるところなどは体の中からすとんと声が出ていて聴いていて気持ちのいいところが多々あった。

 それと、公演終盤に行ったせいかもしれないが、とても乗っていた。それは、自分の努力に対しての充実感と、客の心をつかめる確信があるからだろう。発声教室のところではアドリブを出していたし、「熱狂的なファンでね」といいながらSS席の客を指すなど余裕すらみえた。最後に長々と書いたが、ファンだから照れずにこう書いてしまおう。「トウコさん、あなたは私にとってのラッキー・スターです」

 コズモの大和悠河(タニ)。正直、主役を食うほどもっと弾けているかな、と思っていた。二番手という扱いのせいかも知れないが、割と二枚目で「♪メイク・エム・ラフ」のところでも、映画ほどパンチ力を感じなかった。はっきりいって、この役のおいしいところはここしかないので、バク転までやれとは言わないが、思い切りよくやって欲しかった。もう少し、3枚目路線にしたほうがあの役はいいのではないだろうか。もともと、映画ではそんなにでしゃばっていない役だから、今回は宝塚版では出来る限り出ているが、ショーのシーンもないし、ちょっと「ブロードウエイ・メロディ」に出ているが、トウコと同じ歌を歌うと歌唱力の差がはっきりでてタニファンには物足りないだろう。『ガイズ&ドールズ』のネイサンより役の比重が軽いし、これから宙組に行って、また一勝負しないといけないだろう。

 リナの真飛聖(うんちゃん)。大和と同期なのだが、こちらの役のほうがずっとやりがいがあるだろう。初めに彼女がこの役、と聞いたとき、金子は「ああ、男役だから、ドスを効かせた声でやるのね」と思っていたら、映画同様高い声だった。また、その声で1曲ソロがあり、映画より大きな役になっていた。うんちゃんは、見た目はとてもいつもの渋い男役を感じさせない、脚線美のレディになっており、また怒ったら膨れ面をするところや、発声教育のところでも、正直映画より面白かった。根本的に、この役は悪役になってはいけない。大スター扱いされて、舞い上がってしまって、常識のねじが何本か抜けてしまっているので、常識で諭そうとしてもそれは不可能、というキャラクターだろう。ここのところはきちんと押さえられていたので安心した。この作品には悪人はいてはいけないのだ。皆がそれなりに善人だから、観た後でいい気分になれるのだ。そういう作品だ。また、フィナーレでは男役に戻ってくれたが、大和と一緒に踊るところで、2人の踊りのフォルムが大分違うので「はー、育った組がちがうとこうちがうのか」という印象をうけた。とにかくこの役はある意味、うんちゃんの代表作になるだろう。

 キャシーの陽月華(はな)。はっきり言ってしまうが、「歌が上手い美声の若手女優」というこの役にはまっていない感じがした。ダンスは上手いが、歌は低音・高音ともにのびがない。また、台詞も少し間をおくとキンキン声に聞こえるし、彼女が池田銀行のイメージレディということ以外に彼女が起用された理由が分からない。『ガラスの風景』のときに思ったのだが、髪形もいまいちだ。まだ下級生なので、きついことをいうようだが、精進あるのみ、というところか。

 専科の方では、映画監督の萬あきらさんはトーキーになって右往左往させられて困っている様が映画より面白かったし、ドラの藤京子さんは1人で舞い上がるのは大変だろうな、と思うがそんなことはなんなくこなされていたし、所長の星原美沙緒さんはあのおおらかなところが経営者にあっていた。また、五峰亜季が出る、と聞いたとき「ああ、あのシド・チャリシーをやるのね」とすぐ察しがついたが、もう少しクールな感じがあると良かったと思う。少し肉質的すぎる感じがした。この人のダンスの特徴とあの緑のドレスの女はちょっとあわなかったような気がする。

 あと、下級生で目に付いたのは「♪ビューティフル・ガール」を歌っていた大真みらんとCSのニュースでお馴染みの凛華せらである。

 下級生が多い公演だったが、みなそれぞれにいきいきしていて、それに上級生も乗った感じでまとまりを感じた。ああ、東京に住んでいたら千秋楽にいきたかったなあ。こんなところで感想を終える。

<金子のコラム>
 今回は、本題に合わせて「ミュージカル映画」。
 別にゴマをすっているわけではないが、金子の一番好きなミュージカル映画はこの「雨に唄えば」(52)である。初めてビデオで見て、その次の日雨が降った中を歩いていると無性にあの水溜りをじゃぶじゃぶと歩いてみるとか、傘でがーっと人様の家の垣根でこすってみたくなったものだ。(実は「一度やりたい」と母に言うと「それをしたら勘当だよ」といわれた)ちなみに大阪ガスのCMにあの名場面は一時使われていた。DVD時代の到来のようなので、大阪の大きなCD店をのぞいてみたのだが、意外となかった。宝塚ファンが買い占めたのか?
 しかし、金子は運のいいことに○年前住んでいた家の近くにレンタルビデオ店があって、土地柄か(なにせ兵庫県なので)ミュージカル映画をほとんど見られたという幸せものである。初めはオードリー・ヘップバーンの作品を全部見るつもりだったのだが、すぐ左手にミュージカル作品がどっさりと並んでおり、オードリーは「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」で中断して、あとはひたすらミュージカルを借りた。例えば、アステアの白黒のRKO時代のものはすべて揃っていたし、MGMなら日本未公開の「キス・ミー、ケイト」(53)まであったのである。かなりカルトな品揃えであったのではないか。ミュージカル映画といっても、舞台からの映画化されたものと、オリジナル映画ミュージカルの2つに分かれると思うが、金子は映画ということに関しては後者の方が好きな作品が多い。「巴里のアメリカ人」(51)は傑作だが、ちょっと芸術的過ぎて金子はそう好きではない。アステアなら、「バンド・ワゴン」(53)よりRKO時代のものの方が好きだ。知らない人は知らないが「略奪された7人の花嫁」など、MGMらしくて好きだ。MGM映画のおさらいをこれからしたい方なら、ダイジェスト版「ザッツ・エンタティメント」シリーズをご覧になることをお勧めする。パート3まであるが、3はカルトなので、2ぐらいでやめて、「ザッツ・ダンシング」も合わせてご覧になると宝塚がいかに吸収しているかわかると思う。しかし、昨今はレンタルビデオ店でなかなかミュージカル映画がおいていないのでもっと置いて欲しいとときどき思うものだ。そんななかで、「ムーラン・ルージュ」(01)や「CHICAGO」(02)など最近ミュージカル映画がまた隆盛を取り戻しているような現状は嬉しい限りだ。今回はこれで。



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