[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2024/11/29(12:36)]
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<p>ずっとずっと、とてもとても楽しみに待っていた「風と共に去りぬ」を観て来ました。しかも昼の部と夜の部(岡、石井両キャスト)観てきました。
</p><p>正直な感想は、すごく期待していっただけに、ちょっと期待はずれでした。期待しすぎて観にいくのも考え物ですね。貸切公演だったせいか、大勢の年配の観客が主な客層だったからか、拍手もなく、まったく観客から盛り上がりに欠けて、1回めの公演は、これは3公演もチケットかってしまい、失敗したと思ってしまいました。
2回目は席も前だったし、まわりに杜さん、大地さんのファンっぽいかたがたが大勢いて多少は1回めよりは盛り上がったかな。。でもソロの唄や、どう考えてもこのシーンはポイントとなる場面で、拍手喝采となるべきシーンなのに拍手が「モーツアルト」や「ミーアンドマイガール」のときと比べると本当に小さく、なんかかわいそうになったくらいです。われんばかりに拍手というのが一回もないミュージカルはひさしぶりです。
帝劇では指揮者は毎回同じ人だから、きっと帝劇のおかかえオーケストラの指揮者なのでしょう。背中で、この公演はうけるぞとか、うけてないなぁとか感じながら指揮棒振っているのでしょうね。カーテンコールも1回しかなく、本当に盛り上がりに欠けていました。残念。
<p>「オケピ」がうけたせいか、公演後大勢オーケストラピットを覗き込む客が前に押し寄せ、最後のカーテンが下りた後の演奏の後、公演に対してではなく、オーケストラに対してすごい拍手がありました。これが皮肉にも一番大きな拍手でした。
</p><p>それでは何がいけなかったのか??
よく考えると「風と共に去りぬ」って、映画だとタラのテーマがいいので盛り上がるけど、ストーリー自体、大して感動的とか、おもしろいっていうものでもないなぁ。。とか思ってしまいました。それと、大地真央の唄も顔もいうことないのですが、せりふが。。。きっと普通にしゃべると声が低いので、全部裏声みたいなしゃべり方で、これが不自然でなんか学芸会のおしばいみたいで。。。
でも、彼女の年齢であの美しさ。。あの声が出るなんて、プロ根性が感じられます。森光子みたいに、ずっとずっとたとえ盛り上がらなくても、客の入りが悪くてもがんばってほしいかな。
<p>今日の私の一番は、杜けやきさんのすべてです。
これはすばらしい。本当に顔も唄も、せりふも、メラニーって感じでした。きっと杜けやきさんご自身も心美しいかたに違いないと思ってしまいました。彼女の舞台は初めてなのですが、こんなにいいとは思いませんでした。男役だったなんて信じられない。なんかスカーレットとレッドバトラーの二人より、アシュレーとメラニーの二人のほうが印象に残ってしまいました。
<p>岡さんと石井さんの違いやどっちがどうという差はよくわかりませんでした。しかし、石井さんはいい男でした。アップに耐えれるミュージカル男優が日本にもでてきてうれしい限りです。レミゼは彼が出る公演のチケットは買ってないけど、買おうかなという気持ちになりました。ミュージカルって唄や踊りやおしばいの技術も大事だけど、ビジュアルも大事だと思います。だって、すごい美人やすごいハンサムはお金出して見る価値ありますしね。美しいものを見ると幸せな気持ちになりますよ。
</p><p>といっても、大地真央の美しさは一見の価値はあります。前の席でアップで顔を見たけど、あの年齢(結構歳ですよね)であれほど美しい人見あたらない。海外の映画の女優さんにも全然負けてないです。プログラムのどんなぼろ服きたカットも、どんな表情も、全部全部美しいのです。死ぬまでに大地真央の生の美しい顔を見れて幸せです。
</p><p>千秋楽もチケットとれたので観にいきます。千秋楽観にいかれる方、ミュージカルが盛り上がるかどうかは、舞台の上の役者や演出、脚本だけにかかっているわけではないです。みんなでもりあげようぜ!!
</p><p>あすは、日生で「雨に歌えば」。あんまり期待しないことにしよう。今日の教訓は、期待しすぎると期待が裏切られたときのショックが大きいので、平常心を!!
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こんばんは。1月に梅田コマ劇場で観た「風と共に去りぬ」の感想、入れさせていただきます。それと、今回はコラム付ですので、さらに長くなる金子の感想、最後までよろしくお付き合い下さい。
「風と共に去りぬ」
〜ミュージカル〜
原作:マーガレット・ミッチェル
脚本:菊田一夫
潤色:堀越真
演出:山田和也
音楽:佐橋俊彦
作詞:秋元康
製作=東宝
梅田コマ劇場
2002年12月13日 3階1列36(アシュレー=岡幸二郎)
2003年1月9日 1階7列25(アシュレー=石井一孝)
<メインキャスト>
スカーレット・オハラ:大地真央
レット・バトラー:今井清隆
メラニー:杜けあき
アシュレー<ダブルキャスト>:石井一孝/岡幸二郎
ベル・ワトリング:寿ひずる
ピテイバット:木村由里
マミー:花山佳子
プリシー:植田チコ
フランク・ケネディ:藤堂新二
チャールズ・ハミルトン:安崎求
<絶対読めない原作>
○学生の時、宝塚でこの演目が再演されたとき、母が箱に入った文学全集の原作を買ってくれたのだが、金子、1章読んだらもういやになった。母は「せっかく買ったのに・・」と大分落胆していたが、まるでスカーレットが自分のことを言われているようで、あらさがしされているようで嫌になってしまったのだ。それ以降、何度か挑戦したがだめである。よって、金子の「風と共に去りぬ」はどっぷり宝塚につかった概念である。ちなみに昨年の日生劇場もチケットがとれず、観ていない。
かつて、「宝塚で最高のスカーレット」と言われた一路真輝さんが、「スカーレットは絶対B型だと思う」とおっしゃっておられたが、金子もそうだと思う。そして今回の真央さんも本で調べるとB型。スカーレットの気が変わりやすいところ、確固とした信念、などB型以外の人には表現しにくいだろう。そんな気がした。
<感想>
「大地真央が演じるダイナミックなスカーレットに圧倒される舞台」
プラス
「1月9日は12000円がもったいないから、39.1度の熱をおして行ったわよ!」
宝塚版が当たり前状態になっている人間にとって、「大分違う『風共』だな」と思ったが、メラニーの比重が宝塚より多くなっていることや、スカーレット像の描き方などは宝塚よりはっきりしていて、「こういうのもありか」と納得できる舞台であった。ナンバーはレットが人を食ったように歌う「♪葉巻」とスカーレットとレットの「♪心のかたち」などは歌詞がシンプルで分かりやすいが、この梅田コマ劇場は3階で観ると歌詞の60%しか聞こえなくなるのが難点だ。演歌の場合などはこれでいいのだろうが、ミュージカルの場合はやはり1階で高い料金を払って観ざるをえない。しかし、9日の隣の人は「大地真央ファンクラブ」の会員で、7回見るそうだ・・・・12000×7?+東京・名古屋も行くらしい。熱狂的真央さんファンだな、と思った。金子など足元にも及ばない。それでも、である。やはり、「♪君はマグノリアの花のごとく」とか「♪さよならは夕映えのなかで」がないとどうも落ち着かなかった。一路さんのビデオをみた父は「宝塚が変えているのだよ」というが、どうも宝塚版に慣れてしまって、少し落ち着きが悪かった。ただ、アトランタ陥落の場面の火薬を使った場面は迫力があった。後は人別に。
スカーレットの大地真央(マオちゃん)。金子も上の人ほどではないが、宝塚現役時代からのファンだが、スケールの大きいスカーレットに3階で観ていても圧倒されてしまった。「宝塚最高のスカーレット」と言われた一路さんのスカーレットは、「スカーレットとしてあるべき姿」を忠実に的確になぞった感じだが、マオさんのスカーレットはしっかりとした生命力を持ち、泣き、笑い、時にはコケテッシュにフランク・ケネディを誘惑し、とても自分に素直で「こんな女もいるのよ」と言われているようだった。明るいミュージカルのマオちゃんもいいが、スカーレットはライフワークの役になるだろう。歌は「♪家はどこ?」が一番良かった。
レットの今井清隆さん。歌は低音がしっかりしていて、聴き応えがあったし、宝塚と違って本当の男性がやると、スカーレットの首をしめるシーンなど本当に迫力満点で「さすが本当の男性」と思ってしまった。ただ、あまりにも恰幅がよくていらっしゃるので、宝塚の細身に慣れている身としては「もう少し痩せていただけないかな」などと馬鹿な注文をつけたくなった。無頼漢と言われているが、本当は紳士のレットを上手くこなされていたとおもう。
メラニーの杜けあき(カリンチョさん)。退団後の舞台を拝見するのは初めてであるが、さすが演技巧者で鳴らしただけの人である。メラニーはレットに言わせると「アトランタ唯一の貴婦人」なのだが、宝塚版では「やさしくて病弱」というイメージしかなくて、歌もないのだが、今回は、やさしいのは当たり前だが、品格があり、他人の立場に立ってその人のことを思いやれ、そして「人はこう生きなくてはいけない」という芯を持った女性であった。そして、カリンチョさんはそんなメラニーを余すところなく表現していた。12月13日に観た後に、父に請われてSKY STAGEで「忠臣蔵」を見たのだが、あの大石倉之助が上品なメラニーに変わるとは役者とはやりがいのある商売なのだな、と思った。
アシュレー役(13日)の岡幸二郎さんは、「レ・ミゼザブル」で名を上げた人だということは知っていたが、なにせ兵庫に住んでいては、大阪に「レ・ミゼラブル」がそうそう来るわけはないし、トリプルキャストともなると、チケット代との相談があって、全キャスト観る、というわけにはいかないのだ。ま、そんな言い訳で、岡さんの舞台姿を拝見するのは初めてだったのだが、ルックスもすっとした二枚目でアシュレーのイメージを裏切らなかった。内面表現にいたっては、あまりにも理知的過ぎるがゆえに、その絵に書いた餅の「こうあるべき」理知に溺れてしまって、メラニーによってしか「現実社会とのロープ」が結んでもらえない、ひ弱な男性を表現しえていたと思う。
しかし、13日の観劇後、父は「レットより、アシュレーの方が難しいな。レットは『俺の言うことが聞けないのか!』と大胆に迫っていけばそれでいいけど、アシュレーは繊細でなくてはいけないからね。」と言っていた。
アシュレー役(9日)の石井一孝さんは、「カルメン」のエスカミリオなどでは豪胆な役をこなしていらしたので今回はどうでるか、と期待したが、現実と離れた高尚な考えを持つ好青年がそのまま成長してしまって、現実世界と結び合わせてくれたのはメラニーのおかげであることを知らないままで、メラニーの死によって初めて自分が現実に即していないということがわかって、弱く崩れてしまう、という結構宝塚的なアシュレーであった。
ベルの寿ひずる(イーちゃん)。自分がレットにスカーレット以上に愛してもらえないことを知りながら、レットの気持ちなどお見通しのいい女をイメージどおりに表現していた。また商売を鼓舞する「♪ようこそ」などその手のお姉さんらしくさばけていて良かった。ただ、今回の役はこれぐらいグラマラスでもいいが、他の役をやるならもう少し痩せていただけたらいいのに、と思った。
マミーの花山佳子さん。2幕の「♪天使よ」はゴスペル調だが、もう少し低音がでればいいと思った。ただ、マミーとしての造形は十分で、スカーレットの行動に振り回される様子はいかにもマミーらしかった。
チャールズ・ハミルトンの安崎求さん。「その男ゾルバ」や「ミス・サイゴン」で主役級の役を演じてらしたので、こんな小さい役はなんかかわいそうであった。なにが真ん中に立てない理由なのだろう。
プリシーの植田チコさん。10月に「チャーリー・ガール」でお色気むんむんのお姉さまを演じていた人と同じ人か、と思うほどの変身振りである。スカーレットにさんざんこき使われる使用人を、これまた私たちが持つ概念どおりに演じていた。
と、ここまで書いてきたが、宝塚と違う「風と共に去りぬ」もありなのだな、と認識させられた舞台であった。
<金子のコラム>
今回のテーマは「タダ券」
今回の「風と共に去りぬ」、アシュレー役がダブルキャストだときいて、両方観たいと思ったのだが、12000円のSS席を2回も払えない。そういう時にありがたいのがこの「タダ券」である。この「風と共に去りぬ」は、阪急百貨店の友の会の招待券を利用して、父と2人で観る事ができた。おかげで両キャスト制覇、である。あと、皆さんの身近なところとでいえば新聞社3階席招待券、ではなかろうか。実は、2002年に初めて読売新聞から1月の新歌舞伎座の川中美幸の公演の初日の招待券をもらって、ミナミまではるばる出かけたのだが、父と金子の考えは甘かった・・・・どうも引き換え開始3時間前ぐらいから並んでいないと、舞台正面の席は手に入らないらしい・・・ということでその公演は親子ともども首が痛くなって帰ってきた。それ以来、新歌舞伎座の場合は少しお金を足して、正面で観られる席にすることにしている。主演者にもよるが8月のピーターさんの時は、5000円のプラスで1階のかなりいい席に座れた。しかし、阪急友の会もそう甘くはない。この公演の引き換えも引き換え初日に家から一番の始発で出て劇場にいったのだが、もう50番だった。しかし、さすが阪急グループ。3階席とはいいつつも、早く行って、平日の夜、などを選択すると、3階の前段、つまりA席(7000円)のチケットに代えてもらえるのだ。今回も3階の1番前に座れた。これはお得である。このほか、いいタダ券の入手方法をご存知の方、そっと下のメールアドレスから金子に教えてくださいね。それでは。
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<p><p>本日「風と共に去りぬ」の千秋楽を観て来ました。
千秋楽は盛り上がる。これだからいくら高くてもチケット手に入れたくなるのです。
舞台の上の役者もこれが最後と思うと、力がはいって、オーバーアクションで面白い。さすがに千秋楽に来ている客は大地真央の大ファンで、何度も観ている客ばかりなので、あのシーンはいつもと違っていたとか、いつもよりどうだったとか。。これが何度も通うリピーターの醍醐味なのですよね。
初日近くに観たときは、本当に盛り上がらなく、なんてつまらない、はっきりいうと失敗、おおこけ興行だとおもってしまいましたが、カーテンコールの後の千秋楽のあいさつでは泣けてきました。
やっぱり、舞台の上の役者も反応が悪いのは気がついていて、悩んだり、くやしい思いをしたのでしょう。なんとなく、大地真央のあいさつで、いろいろ悩んだのかなと思ってしまいました。
何度もカーテンコールの後、いつまでたっても帰らない客のために、ひとりでドレス姿ででてきてくれたときは、本当にきれいで、最後もりあがってよかったと心から思いました。
「風と共にさりぬ」は「エリザベート」や「モーツァルト」みたいにくさい、もりあがるミュージカルではないので、感動させるのは難しいと思います。
今、家に戻ってきて宝塚版「風と共に去りぬ」を見ていますが、比較すると、あれこれけちをつけたけど、今回の東宝版結構いいではないかと思ってしまいました。
<p><p>ファンには怒られそうだけれど、つっこみたくなるシーンは。。
1.大地真央は場間の暗転した瞬間になぜあそこまで猛ダッシュしてそでにひっこんでいくのだろう?何もあそこまでダッシュしなくても。。おかしくて。。
2.寿ひずるの店にはいつもレッドしかいないけど、もうかっているのかい??
3.最後に「そうだ。あしたから考えよう」というシーンは泣けるシーンなのに、私はなにか笑ってしまった。何か私が、「そうだ。あしたからダイエットしよう」といって、いつもできない自分のようで。
<p><p>好きな唄は。。
1.大地真央なら最初のバックに白いマグノリアの花が咲き乱れている中でうたう「マグノリア」です。かわいくて、本当にマグノリアの花のように美しい。
2.今井清隆は「葉巻」がダンディでかっこいいです。幕間では客の中にもっとレッドがかっこよければとか言っている人もいましたが、結構かっこよかったと思います。轟悠と比較すると、彼女はちょっとなまりが強いので。。やっぱ本当の男にはかなわないかな。。。もっとスマートで、ハンサムだったらとかも思いますが、あの体系でないと、あの声量で唄えないでしょう。
3.杜けやきさんは、「天使よ」です。あなたこそ天使のような人です。
<p><p>ひょっとしたら、杜けやきさんはこの公演の演技で、年度末の賞がとれるかもと思います。本当に身も心もメラニーになりきって、全力投球して臨んだ舞台でした。最後のあいさつでもそれがうかがえました。本当にすばらしい役者です。
どんなに美人の檀れいががんばっても、そして今日本中のどんな女優でも、メラニー役は彼女にかなう人はいないと思います。もうまいったです。たとえようもないくらい、賞賛に価する演技でした。