月組梅田芸術劇場メインホール「Ernest in Love」

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345. 月組梅田芸術劇場メインホール「Ernest in Love」

ユーザ名: 金子
日時: 2005/7/17(11:42)

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 こんにちは。この作品、日生劇場の花組のほうが樹里さんの力で面白いかと思います。ただ、スケールが小さい。

「Ernest in Love」
梅田芸術劇場 メインホール
月組公演
7月10日→1階14列55
7月16日→3階B席

ミュージカル
「Ernest in Love」
原作=オスカー・ワイルド
脚本・作詞=アン・クロズウエル
作曲=リー・ポリクス
日本語脚本・歌詞・演出=木村信司
翻訳=青鹿宏二

<解説>
 オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作に、アン・クロズウエルが脚本・作詞を、リー・ポクリスが作曲を手がけた1960年にオフ・ブロードウェイで上演された、陽気でお洒落なミュージカル。

 舞台は19世紀のロンドン。田舎に住む貴族アーネストは、ロンドンに住む貴族令嬢グウェンドレンに今、夢中である。友人アルジャノンのところへ、グウェンドレンとその母ブラックネル夫人がお茶に来ると知り、今日こそプロポーズしようと訪れた。ところがアルジャノンは大切な従姉妹グウェンドレンは決してアーネストと結婚しないと決めつける。理由を問うアーネストに、アルジャノンは先日アーネストが忘れていったシガレット・ケースを突きつける。ケースの内側には「愛するジャックおじ様へ。小さなセシリイより」と彫られていた。アーネストは本当のことを告白する。子供の頃、トーマス・カデューという紳士の養子になった。ミスター・カデューは亡くなるとき、自分を孫娘であるセシリイの後見人にした。だが、後見人は、道徳的な品格が要求されて息がつまる。そこで、アーネストという架空の弟を生み出し、その不祥事の後始末という理由でロンドンに来ていた。・・・つまり僕の名前はロンドンではアーネスト、田舎ではジャックなんだ。これを聞いたアルジャノンは悪びれるふうもなく、自分も田舎にバンバリーという架空の友人がいると打ち明ける。その架空の名を名乗り、田舎で女の子たちとロマンスに耽っていると。
 そこへグウェンドレンとブラックネル夫人がやってくる。アルジャノンの助けでグウェンドレンと二人きりになったアーネストことジャックは、初々しく愛を打ち明ける。実はジャックに夢中だったグウェンドレンも、すぐさまプロポーズを受け入れた。ブラックネル夫人が戻ってくる。貴族の結婚には親の賛成が不可欠である。娘グウェンドレンを馬車へ追いやって、根ほり葉ほリ聞き出すブラックネル夫人に、ジャックは正直に打ち明ける。自分は本当の親を知らない。手違いからミスター・カデューに手渡された黒い革製のハンドバックの中で発見された。ハンドバック?駅の手荷物預かり所で発見された?この経緯に、ブラックネル夫人は怒り狂って去る。
 婚約は破談。ジャックはがっかりする。アルジャノンは慰めもしない。それどころか「バンバリー」の相手として、田舎のセシリイに興味を抱く始末。するとグウェンドレンが駆け込んでくる。・・・・あなたのロマンティックな生まれは聞きました。そのくらいのことで私の愛は変りません。だって私、まじめ、誠実、熱烈って意味の、あなたの名前「アーネスト」が大好きなんですもの!
 アルジャノンとセシリイの恋を交え、物語は田園狂想曲へと発展していく・・・。(ちらしより)

<メインキャスト>
アーネストことジャック・ワージング 実は・・・(ハートフォードシャー育ちの貴族):瀬奈じゅん
グウェンドレン・フェアファックス(フェアファックス家の令嬢。アルジャノンの従兄妹):彩乃かなみ
アルジャノン・モンクリーフ(ロンドン生まれ、ロンドン育ちの貴族):霧矢大夢
セシリィ・カデュー(ジャックが後見人を務める娘):城咲あい
ブラックネル(グウェンドレンの母):出雲綾
レイン(アルジャノンの執事):光樹すばる

<感想>

「まあ、こんなところか」

 一回目、初日の次の日、1階S席の一番端の席で観た。そのとき思ったことは、「え、こんなこじんまりした作品で、ここ(梅田)も日生劇場も実質3階席まである劇場でやる作品か?3階で観ていたらどうなのだろう。前のほうでちんまりやっているように見えるのでは。ドラマシティと劇場の箱を間違えていないか?」と思った。その上帰りの電車で、偶然同じ車両に演出の木村先生がのってらして、思わず「先生、あまり感心しません」といいたくなった。

 普通ならこの調子でもう一度1階で観て、文句をたらたら書く感想になっているだろう。しかし、今回は2回目を観る前に、月組バウホール『BourbonStreet Blues』を観た。正直、これが退屈をとおりこし、○○(怖くてかけない)に至ったので、かなり「宝塚の作品への許容度」というのが甘くなってしまった。

 そこで、3階で観ることにして、急遽1階席を譲って、当日券で3階席にて観た。で思ったことが上のようなことである。「まあ、これでもいいか」と。そう思った最大の理由は、1回目と出演者の力の入れかたが違って見えたからである。「なんとか客を笑わしてやろう」と。千秋楽まででだいぶ変るだろうが、初日からこの勢いを望みたかった。

 確かに、梅田でやるにしてはやはり、オン・ブロードウェイに近い、もう少し「派手な」作品をやることが必要だろう。つまり、今回のようにほとんどダンスナンバーなしではミュージカルの醍醐味は味わえない。曲も1曲ぐらいはメロディラインが美しく、覚えやすい曲がある作品を。「♪バンバリー」みたいな簡単なのでなく。ストーリーラインももう少し先が分からないものを。それと作品のメッセージだが「家族が欲しい」は、「家族崩壊」の現代に対する反問なのかもしれないが、もう少し現実感のあるものを。初演の時代(1960年)を感じる。

 それよりもなにも、ほとんどS席で8000円取っておいて、上演時間実質2時間というのはチケットの値打ちを感じない。『雨に唄えば』(03・日生)は2時間半やっていて、今年は2時間、というのは予算の都合もあるのだろうが、こうなれば1階13列までSS席にしてでも、もう少し上演時間の長い、衣装もある程度豪華さを感じられるようにしてもらいたい。つまり「梅田で宝塚を観たけれど、やっぱり綺麗で華麗なのは宝塚よね。一度大劇場のほうにいってみようかな」という客を作らないと、宝塚歌劇の客を増やすこと、梅田に根付くこと、梅田で上演する意義がないだろう。来年からどういう路線でいくか分からないが、梅田で上演する意義を打ち出して欲しいと思う。80点。後は人別に。

 瀬奈じゅん。真面目なアーネストのほうでよかった。CS放送を見ていると、いわゆる「スターの素顔」が垣間見えるわけだが、この人は舞台でのアグレッシブな印象と違って、同期とでも話していても、物静かで、責任感のある、真面目な人に見える。だから、一生懸命のアーネストを一生懸命やることで役にはまっていたと思う。お披露目公演だが、歌が『エリザベート』を経た後で、格段に上手く聴こえた。花組時代は高音を出すときはなにか窮屈に出していたように思うが、今はすっきりとのびる。主演者としてはこれからだが、意外と個性の強い役のほうがいいような気がするのだが、現在の月組の主なメンバーは(スターとはいってはいけないらしい)は個性的な人が多いので、ノーブル路線に回らざるを得ないか。

 彩乃かなみ。「♪帽子」から始まる歌は完璧。これだけの歌唱力の主演娘役が生まれたのは心強い。女から「はやくプロポーズして!」というところ、嘘をいわれていたと分かりセシリイと意気投合して「ふん、いきましょ、うふふ」と気分がころころかわるところなど、「女ってこうだよね」と分かる演技だった。特に、2回目は大分のっていたので、まあ、テンションを高くしてやることもこの作品でいい勉強になったかな、と。「普通の女の子」が似合う人だけに、それ以外の役も今後どうやっていくか注目したい。

 霧矢大夢。「軽妙洒脱」とは彼女のことを言うのだろう。アルジャノンのいい加減で、適当で、「腹が空いては戦が出来ぬ」という食いしん坊ぶり、彼女だけは1回目から観ていて飽きなかった。普段の彼女はすごく関西人らしくて明るいのでコメディはうってつけなのだろう。彼女なしではこの作品、かなりつまらないものになっていたかもしれない。言うこともない。

 城咲あい。田舎にすんでいるから、退屈で、かってに不良のアーネストに恋に恋して、日記に創作までする、想像力のたくましいおませさん、である。まず、表情が汚いところが見える。そして、「♪悪いひと」では、高音部に確信のある声を。まだまだこれからの娘役さんなので、がんばって欲しいところがあるのだが、月組では主要メンバーなので、大劇場でも大きな役がきそうなので、役をこなすことで成長して欲しい。(本当のところならば月組は少し若手娘役を補充して欲しい。雪・宙は豊富だ)

 出雲綾。専科第一作であるが、「金や身分にうるさい小うるさい母親」にはぴったりであった。「♪ハンドバックは母親ではない」は迫力満点。

 光樹すばる。最初に出てきて時代状況・登場人物を説明する重要な役なのだが、最初の「♪乾杯しよう」はもう少し歌詞がはっきりしていただきたい。二幕最初の「♪愛するなら」はアンサンブルとの掛け合いもあり面白かった。

 あと、プリズムの瀧川末子がしっかりしているようでボケている、話のキーになるキャラクターを堅実に演じていた。

 花組版はかなり色が変ると思うが、『雨に唄えば』をやっておけば、絶対再演でも人が来ると思うのだけれど。梅田に雨を降らすことは出来ないのかな。大阪でも観たいよ。


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375. 花組日生劇場「Ernest in Love」

ユーザ名: yasuko
日時: 2005/9/19(23:25)

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花組日生劇場「Ernest in Love」を観てきました。

期待していたのですが、正直あまり面白いとは感じなかったです。
それより、樹里さんのさよなら公演だからだとは想いますが、熱烈なファンと思しきかたがたが、気を使って、ここでそんなに笑えるか?って思うくらい、笑っていました。それが気になって、邪魔になって。。。。役者に気を使って観客が笑ってあげなきゃいけないものか。。こういうとこが宝塚の甘いとこだなぁ。だからレベルが低くても許されるんだと思います。今更この件を議論してもしかたないので、この変で止めとくとして、私が最も許せなかったのは、娘役の常に裏声で声量のない歌声です。もっと腹から声出せって怒鳴りたくなりました。
この間、前田美波里さんのディナーショーに行きましたが、地声でどこまでも高音がでるんです。声量が聴いてても、おそらく唄っている本人も気持ち善いくらい、どこまでも大きな声が出るんです。これこそがミュージカル役者の歌声ですよ。

この公演やるくらいなら、最後に2,3日程度のライブショーでもやって彼女の好きな曲ばかり、唄いたいだけ唄いまくって最後にしたほうがすっきりしたかもと思ってしまいました。ちょっと中途半端な公演だったかな。

最近は、絶対おもしろいに違いないっていう公演だけ厳選して、そして無駄に回数見に行かないよう充分吟味しているつもりなのですが、この公演に関しては、平均点はやれないです。モーツアルトがよすぎたため、その後の公演の評価が厳しくならざるを得ないです。



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