宝塚大劇場「ファントム」宙組

[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2024/6/29(14:08)]

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200. 宝塚大劇場「ファントム」宙組

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/6/4(00:05)

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宝塚大劇場「ファントム」宙組の2回観劇日帰りツアーに行ってきました。

結論から言うと、残念ながら、非常に感動したという域には達しませんでした。

原因は、出演者だけの問題ではなく、私にも原因が。。。

1)あまりにも期待しすぎて行った。
前評判がいいので、こういう場合、別におもしろくないわけではないのに、がっかりすることがある。

2)四季の「オペラ座の怪人」のイメージを強く持ちすぎて行った。
ストーリーもさることながら、このバージョンは隠れ家へ行く時の4オクターブは必要であろうと思われる例の低音から始まり、どんどん上がって行き、ものすごい高音で終わる歌も見せ場です。この曲があまりにも有名で、いい曲だし、これだけの高音はオペラ歌手でもないのになかなか聴けないので、最初に聞いた時は、結構衝撃を受けます。
これと比較すると、どんなにわおうさんが、歌を頑張っても物足りなさを感じます。

3)1幕が物足りない。
確かに1幕のわおうさんの歌はすばらしかった。これほど高音が安定していて、声量があるとは期待以上だった。
でも、四季の隠れ家での歌とシャンデリア落しがあまりにインパクトが強すぎて、1幕からがんがん全開で、凄すぎる内容なので、比較すると物足りなさを感じてしまう。

4)マダム・ジリーが物足りない。
宝塚版だと名前が違うようですが、貴柳さんがやられているダンスの先生役が、彼女のイメージにぴったりで、どんな演技を見せてくれるかと、期待していただけに、ほとんど目立たず残念。

5)ラウルが物足りない。
宝塚版だとこれも名前が違うようだが、四季では結構男前な方がやられ、誠実で、正義感があり、彼とファントム、クリスティーヌとの3角関係が見所の一つなので、期待していたのですが。。勝負には勝ったが、結局愛には負けたようなラウルが不憫で泣けたのだけれど。。宝塚版では単なる金持ちの女好きで、あまり深い役どころではなかった。

6)芝居の後のフィナーレが地味。
いつも宙組のショーは満足していたのだけれど、今日のは短めだし、黒燕尾もなんとなく物足りなさを感じた。大階段での黒燕尾で踊るシーンがたんに降りてくるだけで、もっと時間を長くしてほしかったな。
同じ曲がなんども編曲を変えて繰り返し歌われていたけど、この曲あまり好きになれなかった。

7)パレードが盛り上がらなかった。
階段を歌いながら降りてあいさつする最後のシーンですが、このときの歌が全体的に地味なきがします。キーが低い曲がおおいような。特に樹里さんの歌はあのキーはもうすこしあげるか、他の曲のほうがいいような。

8)わおうさんのせいりふのシーンが。
わおうさんの歌がすばらしく、とても感激いたしました。
でも2幕目で結構長いせりふのシーンとなると、ちょっとへたかな。。と思ってしまいました。いつもワンパターンなのですよね。でも東京公演までには、練り上げられよくなっていることを期待します。

結論として、
・宝塚の「ファントム」を四季の「オペラ座の怪人」と比較するのはやめよう。
まったく別物ととらえたほうがよさそう。
・宝塚「ファントム」の観劇前に、四季の「オペラ座の怪人」のCDを聴くのはやめよう。
・宝塚ならではの美しさに堪能しよう。
舞台写真をたくさん買い込みました。今までたくさん宝塚みたけど、化粧がけばくて、いくらかっこいいと思っても写真を買おうなどとは気持ち悪くって思いませんでした。でも今回は美しい。花さんはルノワールの少女の肖像画のよう。とにかくおふたりとも絵になります。家が広ければでかい記念パネル買うのになぁ。


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203. Re: 宙組大劇場「ファントム」

ユーザ名: 金子
日時: 2004/6/11(15:51)

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こんにちは。yasukoさんの書き込み、読ませていただきました。でも、自分で書いてみると、結局自己流になってしまって・・・。それでは、よろしくお願いします。

「ファントム」
宙組 宝塚大劇場公演
5月31日 1階15列67→父と観劇
6月3日 1階6列50→母と観劇
6月10日 1階13列61

三井住友VISAミュージカル
「ファントム」
 
脚本/アーサー・コピット
作詞・作曲/モーリー・イェストン
潤色・演出/中村一徳
翻訳/青鹿宏二

<解説>
 ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」を題材に、母親にしか愛情のこもった目で見つめられることがなかった苦渋に満ちた人生を送る怪人の心の葛藤を描いた作品。

 19世紀のパリ、オペラ座通りで歌いながら楽譜を売る少女クリスティーヌは、ある日オペラ座でレッスンを受けるよう取り計らわれる。オペラ座では支配人のキャリエールが解任され新支配人としてショレが、彼の妻であり新しいプリマドンナのカルロッタと共に迎えられた。キャリエールは、この劇場には幽霊(ファントム)がいるとショレに告げ去る。一方、オペラ座を尋ねたクリスティーヌの歌声を聞いた地下に潜むファントムは、その天使のような歌声に母親を思い起こし、彼女の歌の指導を始める。クリスティーヌの若さと美しさに嫉妬し、自分の衣装係にしたカルロッタは、クリスティーヌを潰すために罠を仕掛ける。
 怒ったファントムがクリスティーヌを奪い去る。それはクリスティーヌへの愛情の表現にほかならなかった。しかし、それがやがて彼を悲劇の結末へと向かわせることとなる・・・。
(ちらしより)

<メインキャスト>
ファントム(オペラ座に潜む怪人):和央ようか
クリスティーヌ・ダーエ(オペラ歌手を目指す少女):花總まり
ジェラルド・キャリエール(オペラ座の前支配人):樹里咲穂
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵(オペラ座のパトロンの一人):安蘭けい
アラン・ショレ(オペラ座の新支配人):鈴鹿照
カルロッタ(新しいプリマドンナ、ショレの妻):出雲綾

<感想>
「これは泣けるぜ」(終演後の父の第一声)

 いろいろ書く前に、上の言葉を吐いた父はもちろん、金子の周りの人間もかなり泣いている公演なのである。金子自身は、もともと涙腺が弱くないので感動はしたが泣かなかった。しかし、あまり周りが泣くから、泣けない自分が変に思えてきてしまったぐらいだ。正直、父が宝塚を観て泣くとは思わなかった。また、こういうわけで新聞の劇評も上々だし、平日3時公演でも立ち見が出るほどの盛況ぶりだ。3回チケットが取れたのがラッキーと思うしかない。

 さて、「オペラ座の怪人」というと、同名の日本では劇団四季が上演している、ロイド=ウエバー版が有名だし(日本ではこのロイド=ウエバー版を「劇団四季の」とコピーしているので以下は「四季」で通す)、なじみが深いと思う。金子も四季のものは2回観たが、2回目で「ああ、これは完璧なミュージカルだな」と感心してしまった。音楽はほとんどの曲が1回で覚えられるし、装置もシャンデリアをはじめ豪華だし、歌も「四季歌唱専科出演」という感じでばんばん歌っているし、抜けがない印象を受けた。だから、今回の宝塚版(コピット=イェストン版、アメリカ版、というべきだが、『エリザベート』のように、完全に宝塚バージョンとなっているのでこれで通す)もほとんど期待していかなかった。結論は「やるな、宝塚」というところである。特にファントムをめぐる物語は細かく書かれていて好感を持った。

 さて、その物語だが、ファントムの生まれたいきさつ、父と母、なぜクリスティーヌをファントムは自分のものとしたかったのか、など宝塚版はファントムに対しての疑問はほとんどない。特に父と親子の名乗りをする場面は感動的だ。歌うファントムの和央、キャリエールの樹里は歌唱力がある同士なので余計いい。ここが日本人向けには一番のハイライトだろう。(父が泣いていたのはこの場面)歌詞もシンプルな言葉だが雄弁だ。また、クリスティーヌにしても、最後は醜くともファントムを愛する女性として、ファントムと対等に描いていてヒロイン像が鮮明だ。しかし、そのぶんフィリップとのやりとりや場面が減ってしまったのは仕方がないかもしれない。四季のより物語の根幹がしっかりした脚本になっていると思う。

 構成だが、ダンス場面も多く、アメリカ版よりファントムも人前にちょろちょろ出てくるところなど出番を増やしてみるとか、上に書いた父子の関係、最後死んだはずのファントムの元にクリスティーヌが駆け寄るエピローグなどは(父に「いかにも宝塚的だな」といわれてしまった)など、日本人向け、宝塚的にアレンジしてあり、良かったと思った。『雨に唄えば』に続く中村一徳先生の潤色だが、上手いと思う。あれだけ観客を泣かせたら十分である。ただ、不満があるのはフィナーレだ。短くてしょぼい。なぜ、宝塚のミュージカルのフィナーレでは当たり前になっている、本編での曲を使わないのだろう。確かに、今回の曲は大曲でメロディアスなものが多いので盛り上げるには難しいのであろうが、そこは編曲でなんとかならないものか。特にパレード前のデュエットダンスは「♪真珠取り」ではなくて、本編の「♪パリのメロディ」で2人が優雅にステップを踏むほうがいいとおもうのだが。フィナーレは、最初の思い切りスイングして安蘭けいが歌うところぐらいしか観るところはない。再演があるなら考えてほしい。

 そして音楽だが、これははっきり四季版に負ける。1発で覚えられる曲は少ないし、自分で歌ってみてもキーが広くてオペラの曲のような感じだ。だから、ソロのあるメインキャストは良く歌っていると思う。ただ、すべての曲名をプログラムには書いて欲しいし、歌詞もキャリエールとファントムの銀橋での親子の名乗りの歌詞が書いてないのは大きな手落ちだ。「ル・サンク」を買うお金がある人ばかりではないのだから。少なくともすべての曲名の原題と邦題を書いて、それがどの場面で歌っているかプログラムに書くべきだと思う。父が家に帰って、「あの銀橋での親子の名乗りのシーンの歌詞わかる?」と聞いてきたので、「プログラムに書いてないの」といったら「駄目だな」と言われてしまった。写真を減らしてもいいから歌詞も一杯書いて欲しい。

 装置だが、確かにシャンデリアは四季に比べて貧相だが、後はシンプルでパリを連想させられるし、総じて良かったと思う。船が上手と下手へ動き、そして最後は競りあがるようになっているのは装置の先生の努力だろう。個人的には最初のオペラ座の屋上を思わせる背景がファントムの心の闇を表しているようで好きだった。

 次に菊田一夫賞もとったゴールデンコンビ(和央・花總)だが、相変わらず絵図らは宝塚随一だ。パレード前のデュエットダンスを観ていた父が、隣で「綺麗だなー」とため息を漏らしていた。芝居において今回はいつも以上にがっぷりよつに組んでいて「二人の世界」みたいなものが強固に出来上がっていて、ほかの誰もが入れないような感じであった。このコンビならではの阿吽の呼吸のある演技になっていると思った。ただ、宝塚という世界、これが永遠に・・・といかないのが歴史であるのだが。

 気になったのは、ファントムの「従者」とされている、『エリザベート』でいう黒天使みたいな存在の手下がいることだ。ファントムは孤独なのだから手下は要らないと思うのだが。原作にはあるそうだが、ファントムのあのばりっとした服とかは父親が差し入れてくれた、ということにしておけば理屈はなりたつのに、と思った。しかし、ここで気づいたことは、出演者の人数だ。主な役が少ししかないのだから、こうでもして役のある人数を増やさなければ仕方ないのだろうか。よく考えてみたら、この演目、宙組の半分のメンバーでやれそうだからである。メインキャスト以外の人の使い方は一番難しいところだろうな、と思った。

 新聞(読売新聞)に早くも再演の話が出ていたが、確かに再演したら『ベルサイユのバラ』、『エリザベート』についで安定した観客動員が望める演目であると思う。版権の問題もあるだろうが、キャストを変えてまた早い再演を願いたいものである。あとは人別に。

 ファントムの和央ようか(タカコ)。歌は高音を得意とする人だけによくでていた。持てる歌唱力の全部を使った感じだ。ファントムというのは世間に出ないので、愛する人間に対しては究極に優しく、憎むべき人間に対しては究極に殺意に結びつくほど憎悪する。プログラムに述べているように人間の持つ感情の究極で生きている人間だと思う。役作りに関しては、普段はいつも大枠から捉えて役を作っていく人だと思っていたが、今回はファントムの孤独さ・繊細さから綿密に計算をして役を作り上げた印象を受けた。特に、クリスティーヌに請われて顔を見せるものの、逃げられてしまい落胆するところの演技は繊細で見所だった。また、10日はキャリエールに対して、自分の人生について「これでよかったんだ」というところは、言う前に感情がこみ上げたのか、台詞の前に少し時間があった。渾身の演技といえるだろう。こういうのを「タカコさんならではの役」というのだろうな、と思った。

 クリスティーヌの花總まり。この人も高音がよく出ていたし、実力から考えても十分やりこなした。クリスティーヌは天使のように美しく、清純で、声も天使のように美しい、という宝塚のヒロインの典型的な形だと思うが、花總のいろいろな役を経てこその今回の人物造形には神々しささえ覚えた。心の美しさが伝わってきたというか。完璧だ。

 キャリエールの樹里咲穂。この宝塚版では、一番のキーポイントとなる役だ。ファントムの父であるのだが、父親であると言い出せず、ひそかに彼を育て、見守り、やっと名乗りをしたが、最後には捕らえられて見世物にされるぐらいなら、とわが子を殺してしまう、という重厚さが求められる役である。樹里もいろいろな役をしているが、この役は代表作になる、といっていいだろう。2幕が中心だが、先に書いた銀橋での場面は感動的だし、最後にわが子を撃った後の表情は悲痛で、こちらの胸に迫った。再演するならこの役はまた樹里にお願いしたい。

 フィリップの安蘭けい(トウコ)。お金持ちのお坊ちゃんで、その上二枚目のプレイボーイ、という役である。正直安蘭がやらずとも、宙組の若手の歌のうまいのにやらせておけばいいか、と思うほど四季に比べて軽いが、そこは安蘭、存在感を出していた。しかし、どうやってもこの役は目立たなく、歌も1人明るい歌で、えらく軽い役だと思った。ファンとしては、上に書いたフィナーレのソロがなければ不満爆発、ああ星組に出ておいてくれよ、という感じである。

 ショレの鈴鹿照さんは、大分オーバーだが、権勢欲と妻の尻にしかれているところをよく出していた。背が低くていらっしゃるので、オーバーな演技が余計コミカルにみえる。

 カルロッタの出雲綾。組長はいつも乳母とか脇が多いが、「やらせたらすごいな、この人」と感じさせた。カルロッタの傲慢ぶり、クリスティーヌよりうまく聴こえない程度の歌唱、と悪役カルロッタの人物像がはっきりしていた。
 
 最後にファントムの母を演じた音乃いづみ。歌が上手い人だとは知っていたが、短い母の場面でも歌が上手くて印象に残り、一度長いソロを聴きたくなった。

 いろいろ書いたが、是非再演を望む。そのときはキャストによっては4回行くかな。(梅田コマを1回いくのをやめよう)


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218. Re: 東京宝塚劇場「ファントム」宙組

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/7/18(22:11)

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いよいよ東京へ「ファントム」上陸です。
大阪で2回観ているので、今回で3回目なのですが、本当に首を長くして、待ちに待った観劇です。

見終わっての第一声は、
「何でラストシーン変えたの?!」
何故、ラストシーンを変える必要があったのか?
ラストシーンって一番大事じゃない!!
脚本・演出の先生は、大阪公演での、アンチタカハナの猛烈な抗議に屈して変えたの?
理由を説明してほしい。
私は、あのラストシーン、とても気に入っていたのです。
なぜあの笑顔?と考えると、あのラストはいったい何を言わんとしていたのだろうかと、観劇した側に自由に想像させてくれて、いろんな解釈を楽しませてくれるシーンになっていたと思うのです。残念。
ものすごいショックでした。
いっしょに観に行った姉には、いいじゃない2パターン観れたのだから、得した気分でしょ!!って言われ、ちょっとは落ち着きましたが。。。納得できん!!
周りは誰も騒いでなかったけど、みんななんとも思わないのか?それとも、大阪も東京も観たのが私だけっとことは絶対無いと思うのですが。。。

あと3回観る予定なので、少しは落ち着いたらもっといろいろ感想を書きたいと思いますが、今日は、ちょっとショックで。。。
最後袖にひく時のはなさんが哀れで、かわいそうだった。大阪版のほうが私は好きだったなぁ。
これから、なぜあのシーンを変えたのか、変えて(改善したつもりだと思うので。。)どういうことを伝えたかったのか、奥深く追求して行きたいと思います。

きっと、東京で4回めを見終わったらその回答がなんとなくわかるのかなと思います。そうなるといいなと、変えて正解だったと思わせてくれ。
ちょっと、ショックで今日はこれ以上書けない。


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219. 「ファントム」ラストシーン:東京版VS大劇場版

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/7/20(22:53)

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ラストシーンの件ですが、最後の2シーンが変わりました。
詳しくはもう他のHPとか出ていると思うので、ご存知かもしれないですが、

1.
クリスティーヌは、エリックが死んで、銀橋で、「もういちど会いたい」と切々と号泣しながら歌った後、暗転して、静かに左(下手っていうのかな?)に寂しくひいて行きます。

2.
最後は、エリックがひとりで、いつまでもやさしくクリスティーヌを見守っていて、静かに待っているといっているかのように、一人で歌って終わりです。

たいした違いではないので、全く気にされていない方や、気がつかれなかったかたも多かったのかもしれませんが、これによって、私はかなり印象が変わってしまいました。
大騒ぎしてショックを受けているのは、日本中で私くらいかも。。

大劇場版:
泣けるけど、一番の見せ場はひょっとしたら、キャリエールとのファントムの親子の名乗りのシーンではないかと思います。ここがクライマックスっていってもいいかもしれないです。
主役ではないけど、キャリエールに非常に重きをおいた人情劇になっています。

最後は、四季版では幕の後、おそらくあの世では二人はいっしょになったに違いないと観客に想像させる部分を、実際にラストシーンにもってきて、宙組定番のハッピーエンドになっています。あの笑顔で救われます。

東京版:
結局、自分が仮面をとっても大丈夫だから信じてといっておきながら、裏切ったということを一生背負って、悲しみを抱きながらクリスティーヌが生きて行かなくてはいけないような気がして、悲しすぎて、最後のクリスティーヌの銀橋のシーンが一番泣けます。

この時点で、それまでの樹里さんの大熱演シーンは吹っ飛んでしまい、紛れもなく、東京版主役は、悲劇のヒロイン、クリスティーヌになったような気がします。
あまりにかわいそすぎて、2日ほど私はショックから立ち直れませんでした。

ファントムは、クリスティーヌが素顔を見て逃げて行ったのに怒りもしないで、やさしく許す時点で、もう、大人の懐のひろい男なのです。きっと、クリスティーヌが生きている間、ずっとやさしく見守って待っていてくれると思うのですが、果たしてクリスティーヌはそれをわかっているだろうか。わかっていても、自分自身を許せるだろうか。
クリスティーヌは罪の呵責に耐えながら生きて行かなければならないような気がするのです。
四季版の最期の別れは、ファントムの失恋ですから、クリスティーヌに落ち度はなく、負い目もないし、かわいそうなのは、むしろファントムのほうだけど、宝塚東京版では、負い目をもっているのは、クリスティーヌのほうで、同じ悲恋でも、ずいぶん四季とは度合いが違うような気がします。

ただ、すくいは大劇場では、「もう一度会いたい」と歌った後、すぐ出会えてハッピーエンドっていうのは、あまりに直後すぎて、いささかこじつけっぽいけど、東京では、フィナーレ最後のデュエットダンスまで、しばらくふたりがいっしょの舞台には立たず、長い時を経て、やっとふたりいっしょにまためぐり合ったととらえると、すごく素敵なデュエットダンスに思えます。思いっきりいつもの熱い濃いダンスを堪能させてくださいってとこでしょうか。

両方観たかたの意見を聞くと、東京のほうがすきという方が多いようですね。確かに悲恋としてはいいですが、わかいそすぎて。。。

次観た時は、もっと冷静に落ち着いて感想を書きたいと思います。
千秋楽(チケット持ってないけど)だけ、ハッピーエンドに変えてっていうのはだめかな。。


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220. Re: 東京宝塚劇場「ファントム」宙組

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/7/25(00:54)

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本日「ファントム」東京公演の2回目を観てきました。

2回観て、一番満足度が高かったです。そして、ラストシーンを変えたのは正解だったと思いました。やっぱり、従来の宝塚ファンだけではなく、東京という土地柄を考慮すると、一般観劇ファンで、いつもは宝塚をミュージカルと認知してなく、観劇対象としていない多くの人たちにも、満足させるには、東京バージョンがいいと感じました。

まず、大劇場だと、最後はハッピーエンドで終わって、いかにも宝塚っぽく、宙組っぽく、宝塚だとこうなっちゃうんだと呆れられるかも。そしてここで、芝居が完結してしまい、その後のフィナーレがなんだか物足りなく感じたのです。

それに対して、東京バージョンだと、今日観て感じたのですが、芝居はあのシーンでは終わっていなく、続いていたのですね。

1.エリックの耳元でクリスティーヌが歌った後彼が死んで、
2・クリスティーヌが「もう一度めぐり合いたい」と泣きながら歌って去っていきます。
3.それをやさしく見守るエリックがいます。

その後、フィナーレが始まりますが、それぞれのシーンの歌詞をじっくり聞くと、
その後のそれぞれの人生を物語っていると思います。

4.最初のシャンドン伯爵の歌で、クリスティーヌは彼の愛に支えられて生きたのを表現しているように思えます。

5.その後ファントムがでてきて、「熱い思いはいつも変わらない」と歌っています。つまり、彼女への愛をずっと変わらず持ち続け、やさしく天国から見守りつづけたことを表していると思います。

6.次のクリスティーヌの赤いドレスのシーンは、シャンドン伯爵や途中から歌に加わるエリックの父に支えられて、自分とエリックを結び付けた歌を歌うことで、明るく元気に生き抜いたことをあらわしていると思います。そして、「神様がいつも見守っていてくれるから」という歌詞を聞くと、彼女は、いつもエリックが自分を見守っていてくると信じて、きっと頑張っていきれば、いつか必ずまためぐり合えると信じていたことをあらわしていると思います。

そうなると、最後のデュエットダンスは、数年後か数十年後かわからないですが、あの世で、やっとめぐり合ったときのシーンではないかと思います。

最初の歌いだしの歌詞が、エリックが死ぬときのことを、つまりこの世でクリスティーヌと別れた瞬間「耳元でいとしい人の歌声が聞こえる。。」を思い出して、歌っているように思えました。
最後の出雲さんのカゲソロがいいですね。

東京バージョンは、お芝居で簡潔ではなく、フィナーレすべて含めて、ストーリーを完結させるようになったと思います。
確かに大劇場バージョンを観て、初めて東京バージョンを観ると、期待していたハッピーエンドではないので、非常にショックを受けましたが、全体的に一般にも受け入れられる質の作品に仕上がって、こちらのほうが一般評価は高いのではないかと思います。東京には劇団数も多いし、公演数もおそらく日本で一番多いし、また観劇ファンが多い。宝塚ファンではない人も多く見に来ていると思います。つまり、いろいろ他も観ているだけに、あまり一部の、マニアックなファンだけに受ける作品では、他と対等に戦えない。くだらないオリジナル作品と下手な歌と、けばい化粧で変わった集団と思われていたのを、徐々にイメージアップさせて、認知度をあげさせるには、非常に効果的な作品だったと思います。
はっきり言って、宝塚ファンであることを人に言うのは恥ずかしい。そう、宝塚って世間でははずかしい存在なのですよね。でも、この作品なら、人を自信をもって誘える。朝のテレビでも、観劇したアナウンサー(宝塚は日ごろ見ない人で、ブロードウェイを見た人らしいです)が、「宝塚がオペラ座の怪人をやるっていうんで、見に行ってみたら、相当いい」と興奮ぎみで語っていました。

また、この作品が質が高い要因として、
1)セットがすばらしい。
オペラ座道りのセットがすばらしい。美しい。
残念なのは、地下の石壁がかっこいいのに、照明の関係で、全然見えない。
地下のろうそくもかっこいいですね。

2)歌の下手な人を排除した。
具体的に名前を挙げると問題あるのではっきり言いませんが、メインでソロ歌を歌う人がみんなうまいこと。
安蘭さん。樹里さん。出雲さん。
これに一人でも下手な人がいたら、「オペラ座の怪人」ファンで、日頃宝塚なんてばかにしてみにこない人がいたら、きっと、やっぱり宝塚はだめって評価になったと思います。
この作品で、宝塚の一般評価を上げるには、安蘭さん、樹里さんの特出は必要条件だったと思います。そしてカルロッタにぴったりなキャラが宙にいたっていうのも成功の条件ですね。
和央さん、歌うまくなった。

後2回観ますが、もっと買っとけば良かった。。。
それに、東京と大阪で演出変えるなら、DVDは東京で録画してほしかったな。どっちも大阪じゃ。。

あすは、帝劇の千秋楽を見にいきます。
すでに見たかたに聞くと、「ちょっと。。。」と言われ、応えてくれなかった。相当ひどいってことかな?7月は、レミコン、WSS,ファントム等、いい公演が他でもたくさんあったので、チケットの売れ行きが悪いのは、かわいそうだったかなと思います。


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223. Re: 東京宝塚劇場「ファントム」宙組

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/8/1(20:19)

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東京公演3回目、大阪とあわせると5回目を観てきました。
もう完璧に、完全にはまってしまいました。
初回に観た時は、四季の「オペラ座の怪人」のイメージが強すぎて、正直あまりいいと感じなかったのですよね。でも、もう私の中では、完全に宝塚版「ファントム」が、四季版「オペラ座の怪人」を完全に超えてしまいました。

四季版「オペラ座の怪人」は確かに凄い。でも、最初から最後まで凄すぎて疲れる。それに何が凄いかというと、一番凄いのは、よくあんな高い声がでるなという点。
それに比べると、確かに技術的には劣るかもしれないのですが、すべてのメロディーが美しい。そして、何より気に入っているのが、歌詞が胸を打ちます。全体的にストーリにメリハリがあり、もっとテーマが大きいように感じます。単なる3角関係の恋愛物にとどまってはいない。そして、ひとつの作品として、どちらが感動するかというと、宝塚版です。おそらく、四季版より、ファントム、シャンドン伯爵の年齢が若干若い設定のような気がします。若い青年の本当にダイレクトな愛の表現が聞いてていやみがない。せつないけど、美しい。和央さんの歌う歌詞がどれも感動的ですばらしい。

特に、私はあのラストシーンを変えられたことでかなりショックを受け、そのせいで、フィナーレが生きてきたと思います。劇団の思う壺ですね。
DVDで半分カットは非常に残念。これも、DVDがカットなだけに生でないと観れないから、また行かねばという気持ちにさせられ通ってしまいます。
本当にまんまと、見事に劇団の思う壺にはめられてしまいました。不覚にも私としたことが、こんなにのめり込もうとは。。

私の一番のお気に入りは、フィナーレの大階段での歌ですね。いい。すごくいい。

「光の海に包まれて、あなたの瞳に触れていたい。
いつも強く信じている、想いつづけた愛はかなうと。
目の前に果てしなく続く道は、いつかあなたにたどり着くだろう。
星空にひびく歌声に、あなたへの燃える想いは消えない。」

すごい、歌詞。死は2人の愛を引き裂くことはできないのですね。
この後転調して、シャンソン風の音楽にあわせて群舞。
そして、とどめが、

「熱く燃える想いは消えない。」

ですよ。私は毎晩いっしょに歌っています。

エリックが死ぬシーンの歌詞がまたいい。

「Oh you are music
2人の歌声は心に虹をかける。
Oh you are music
2人の調べは生きる証。」

心に虹をかけるなんて、訳詞の先生がすばらしいのか、もともとの歌詞がいいのかわかりませんが、歌詞だけ聞いていても感動します。
宝塚のDVDを買ったことはありますが、今回初めて Live CD を買いました。
これは、年末たくさん賞をとりそうです。先発の四季の「オペラ座の怪人」は有名で評価も高い作品です。これをやるのは、相当プレッシャーだったと想います。見事に負けず劣らず、いやそれ以上の作品に仕上げてくれたと感謝します。絶対賞とってほしい。あえて違うバージョンをチャレンジしたことを高く評価してほしい。

本当にこの作品をやるにあたって、ベストメンバーの気がします。ひょっとしたら、2番手シャッフルって、「ファントム」をどうしてもベストメンバーでやって四季に負けない作品にするには、安蘭さんを出演させたかったから、カモフラージュではないかと思えてきました。だって、水さん、大和さんは確かにかっこいいけど、歌が。。。。

確かにレミゼもエリザベートも相当はまったけど、これほど感動しただろうか。
今日はひさびさ出待ちした。出待ちなんて暇な人のやることで、ばかじゃなかろか、二度としないと想っていたけど、やってしまった。
私は、真剣にちょっとした近場の海外旅行並みの金額で千秋楽チケット買おうかどか、真剣に悩んでいる。誰か止めてくれないと、きっと買ってしまうだろう。今の私にとって、ハワイ旅行なんかより、「ファントム」のほうが価値があるんです。
もしも宙組が来年海外公演なんてことになれば、絶対ついていきます。宝塚にというより、宙組に、いや正確には、タカハナにはまってしまったようです。どうしよう。恐い。

ところで、話かわりますが、
東京公演って、いつからトップ、特出は車でお出迎えになったの?
あれって、ベンツですよね。ホテルのグレードがあがったってことでしょうか。
男1>専科特出>2番手特出の序列なのですね。
この3人だけ車のお出迎えありで、和央さんが帰ったとたん、劇場の電気も消え、警備員も帰り、バリケードみたいなのも撤去されました。暗い中を花ふささんが歩いて帝国ホテルへ帰って行かれました。
5分程度のことだから、娘1の変える時まで、電気つけててほしいな。
もう、こうなったら、絶対千秋楽見にいきたい。宝くじ買ってはずれたと思えばかえるや。


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235. ついに千秋楽「ファントム」宙組

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/8/30(00:34)

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28、29(千秋楽)と最後のファントムを観てきました。
不思議と、レミゼの最後の時のように、寂しくて号泣しながら観るということもなく、結構冷静に淡々と観て終わってしまいました。CD聴きすぎて、DVD見過ぎたのがいけなかったのかな???

28日は、初めて2階で観劇しました。
上から見ると1階では決してみれない物もみれて、たまには2階もいいかなと思いました。
でも、結構ショックをうけたのが、母親から赤ん坊を預かった後ろのアンサンブルが、無造作に床に放り出して踊り始めたこと。人形だからどうでもいいのだけれど、ちょっとショックでした。もっと丁寧においてほしかった。観てはいけない物をみたようで。。

このファントムって、四季版と違って、ファントムが恐ろしい存在でもなく、醜い存在でもなく、普通の青年なところがいいです。フィリップと同じように、美しい物を追い求め、音楽を愛しているのです。そして、同じようにクリスティーヌに恋をして、夢中になって、舞い上がって、普通に悩んでいるところがいいです。全く2人の青年は同じなのです。ただ、方やお金持ちのハンサム、方や醜く生まれたという運命のため、大きく人生が違ってしまうというのが、悲しいのです。同じなのに、対照的な人生が、せつないです。
最後に観て、なぜかエリックでもなく、クリスティーヌでもなく、キャリエールでもなく、フィリップの変化がこの作品は結構みどころなのかもと思いました。最初はどうでもいいつまんない役と思ったけど、彼の変化・成長が大きなポイントのような気がしてきました。やっぱり最後の立ち去るシーンの表情がすばらしい。影の主役はフィリップのような気がします。

今日の千秋楽見終わって、これで今年の私の夏が終わった感じがする。雨も降っていたし、ものすごい出待ちの人数で、さっさと帰ってきてしまいましたが、やっぱり宝塚オリジナル作品より、海外作品は質が高く、メロディが美しい。7、8月2ヶ月十分楽しませていただきました。7回も観れて幸せだった。
でも、やっぱせりふがへたくそだな。声ももっとでるということないのだけど、これ以上は宝塚に望んでもしかたないのだろうか。でもいい作品だった。DVDは宝物です。

さて、
来月はやっと「ミスサイゴン」を観ます。東京に出てきたばかりの時、初演で観たのだけれど、全然内容を覚えていません。あれからもう12年経ったんだと思うと感慨深いです。ヘリコプターのシーンなんて全然記憶にないです。キャバレーみたいなところで、下着みたいな衣装で、女の人が激しく踊っていたのしか覚えていません。人前でこんな格好で。。と田舎者の私は初ミュージカル観劇でそんな感想をもったということだけは、しっかり覚えています。何観てたんでしょうね。今度はしっかり観て、楽しみたいと思います。でも、チケット結構売れ残っていますね。一応3枚買っているけど、もし良かったら、メインキャスト全員見たいと思っています。もう1ヶ月経つけど、あんまり評判聞こえてこないけど、どうなんだろう?友達に見た人誰もいないので、面白いかどうか聴けなくて。。

そして、四季の「南十字星」もみますが、これで昭和3部作全部観ることになります。前2作もすばらしかったので、3作目も結構期待しています。また泣かせてくれると期待しています。「李香蘭」がまた観たくなった。というか、四季の「オペラ座の怪人」またみたい。JCSすんだら、ファントム役2人いるから、また、「オペラ座の怪人」やってほしい。明日から、通勤時のCDを「ファントム」から「オペラ座の怪人」にさっそく交換しようと思います。



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