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月組 バウ・ロマンス「十二夜」−またはお望みのもの−

原作 シェークスピア
脚本・演出 木村信司
スーパーアドバイザー 小田島雄志
出演 大和悠河、花瀬みずか、ほか
1999/7/17(土) - 27(火) バウホール
1999/10/29(金) - 11/3(祝) 日本青年館

主な配役
オーシーノー公爵大和悠河
ヴァイオラ花瀬みずか
サー・トービー大空祐飛
マルボーリオ立ともみ
オリヴィア夏河ゆら
フェステ(道化)真山葉瑠
マライヤ穂波亜莉亜
セバスチャン華路ゆうき
船長大樹槙
アントーニオ鳴海じゅん
サー・アンドルー紫城るい

音楽劇として再構成してはいるが原作に忠実な作品。大和悠河の バウ単独主役2作目である。


出演者一覧

立 ともみ, 夏河 ゆら, 真山 葉瑠, 穂波亜莉亜, 華路ゆうき,
大空 祐飛, 大樹  槙, 有香  潤, 鳴海じゅん, 麻真 もゆ,
大和 悠河, 花瀬みずか, 彩鳥かんな, 芽夢ちさと, 良基 天音,
湖泉きらら, 紫城 るい, 眞宮 由妃, 夏芽  凛, 宝生 ルミ,
椎名  葵, 北翔 海莉, 麻吹由衣加

(バウホール公演では、眞宮由妃、北翔海莉はケガのため全休演)


観た感想

1999.7.19(月) 11:00/14:30 を観劇。

台詞も少し時代がかった調子を残した部分も一部あるが、大半は 現代調でわかりやすい喜劇ですので、とても楽しめる作品になって いる。原作の面白さをほとんどいじらなかったのが勝因だと思う。

夏河ゆら、立ともみ、真山葉瑠、穂波亜莉亜などの上級生の個性と 演技力の確かさが芝居を支え、若手のフレッシュなパワーをうまく引き 出していた。また、この芝居の出来を左右するオーシーノー(大和悠河) とヴァイオラ(花瀬みずか)の関係に説得力があったのもよかったと思う。

具体的に言うと、オーシーノーはヴァイオラが惚れても不思議はないと 思わせるほどの魅力が、ヴァイオラはオーシーノーが寵愛するのも無理は ないほどのかわいらしさが必要だが、この点は十二分にクリアしていた。

中央部が八百屋舞台の装置(齋藤浩樹)はシンプルだが色彩がきれい。 奥の背景の空も効果的だった。トランポリンには失笑したけど1回しか 使わないならまあいいか(^^ゞ。

振付(尚すみれ)はそれほど目を引いたものはなかった。第1幕第7場 (だったと思う)の円陣でのカニ歩きはちょっと変(^^ゞ。トゥで立っての ステップなら納得行く動きだけど普通の靴だったので、ゴトゴトうるさい だけだった。

殺陣(渥美博)はなかなかきれいな動きだった。生徒もまだ慣れない 風は残しているけど、タニ(大和悠河)の動きもきれいだった。 コミカルな動きもあり、二刀流には爆笑。

衣装は…あまり詳しくないのでパス(^^ゞ。主役以外はありものの オンパレードだそうです。ヴァイオラはフィナーレ以外一張羅だし(笑)。

冒頭、難破のシーンがサイレント映画のモノクロ実写されますが、 初見時はそのセンスに思わず笑ってしまった。(^^ゞ

以下、主な出演者編。

大和悠河/オーシーノー公爵
歌以外は完璧で立ち回りもきれい。前述のように、オーシーノーは いかにヴァイオラが惚れても不思議じゃないように演じるかが主眼と私は 思っているので、この点でパーフェクト。相手役への包容力が感じられる いい芝居だと思う。
花瀬みずか/シザーリオことヴァイオラ
なんと言ってもかわいい、かわいい、かわいい (*^^*)。よしこちゃん (麻乃佳世)のヴァイオラよりも(^^ゞかわいい。サー・アンドルーとの 決闘シーンでのあーちゃんの「きゃーきゃー」言う悲鳴がこれまた妙に かわいくて、オーシーノーが寵愛する気持ちがよくわかるというか…。
秘められたオーシーノーへの恋心をうまく表現していて、特に、 思わず口づけしてしまうシーンの表情はとてもよい。歌もよく歌えて いて、きれいな声である。
ただ演技の課題がまだ残っていて、現代語では使わないような台詞が 完全に自分のものになっていないようで、語尾が流れてしまって感情が 入っていない言い方もありました。台詞の数が多くて大変だとは思うけど、 頑張ってほしい。
あ、どうでもいいけど、あーちゃんのパンフの写真は髪型が違うせいか 実物よりも(笑)かわいく写ってますね。撮った人をほめるべきか…(^^ゞ。
フィナーレではウェディングドレスを着て登場するのですが、 なぜか下手前方に一歩前に出て挨拶をします。 ちょうど私の座った「い列12番」(14:30の回)が真っ正面で、思わず 一目惚れするところでした(笑)。
大空祐飛/サー・トービー
オリヴィアの従兄弟という設定。小悪党的な役柄を楽しんで演じている 様子がうかがえる。歌、芝居ともにうまい。
立ともみ/マルボーリオ
今回の芝居を支えた立て役者の一人。元々笑いをかっさらっていく もうけ役だが、見事に演じ切っていた。
夏河ゆら/オリヴィア
ずいぶん色っぽい役作りで原作とのギャップは激しいが、笑えた。 当て書きもここまでやってくれると気持ちがいい(笑)。ヴァイオラを 誘惑するところ、セバスチャンにせまるところはもう独擅場!
真山葉瑠/フェステ(道化)
これまた芸達者で芝居を支えた。とぼけた味とするどく相手を突く 鋭さは本当に道化のよう。
穂波亜莉亜/マライヤ
ちょっと若めですが、喜劇向けの発声を作ったのか、役に合っていた と思う。サー・トービー(大空祐飛)との息も合っていて、かわいい女を 演じていた。
紫城るい/サー・アンドルー
湖泉きらら/ロザリンドほかダンサー
ダンサーとしての腕を見込んでの起用だが、この程度の振付では役不足 だと思う。第2幕第5場に台詞と見せ場があるが、いかにも父親の言う ことを聞いてます風なので、もうちょっと父親よりもしたたかな感じが 欲しい(これは演出の問題かな?)。

ref: 宝塚歌劇団 「十二夜」公演案内のページ