OSK日本歌劇団「ラ・ロマネスク」

2000/10/21(土)12:00/14:30 あやめ池円型大劇場 中央下手寄り4列目くらいから観劇。50分。

ファンタスティック・レビュー「ラ・ロマネスク」(1幕50分)。 オープニングは出演者が入れ替わり立ち替わりで息も尽かせ ぬ華やかな展開で、人の動きのフォーメーションが複雑で見応えが あります。トップスターの那月の声ものびてとてもよい。

第2場は女を取り合って2人のハスラーが対決。 舞台に乗っている全員が踊るのではなくて、半分ずつ、あるいはメ インキャストのみが踊るという構成は変化が面白く、振付もなかなか よかった。残念なのはダンスソロもある敵役(大貴誠)のダンスが技術的に イマイチだったこと。

第3場がちょっと長めで、ドラキュラ伯爵(那月 峻)と、 伯爵邸に連れてこられた娘(沙月梨乃)、娘を取り返しに来た青年(波輝一夢)、 バンバイアたち、コウモリたちという面々です。 このシーンがこのレビューでの最大の見ものと言ってよいでしょう。 ただし、構成もなのですが音楽も「オペラ座の怪人」を思わせるのでちょっと 笑ってしまいました。もっとも、主役3人の迫真の演技が見事で実に見応えのある 場になっています。 コウモリさんは娘役によるバックダンサーなのですが、 背中に大きな羽をつけているのを除くとただの真っ黒の総タイ ツなので体型がそのまま出てしまいますね(ちょっとお気の毒では あります)。

第4場の幕開きは歌姫(志乃舞 優)の美しいソロで始まる男女のスローな デュエットダンスです。男役の大貴 誠、高帆未来、女役の奈美ちはる、 朝香櫻子の2組のデュエットなのですが、技術的にも魅せてくれる きれいなデュエットダンスです。 つづいて華やかなサンバになります。サンバはよく見るとなかなか テクニカルな振付も混じっていて、スピーディでよい。

そしてフィナーレ。トップスターのソロの歌、ロケット、 男役のボレロ、女役のボレロ、そしてパレードです。 このロケットがですね〜、衣装が白を基本に金の飾りがあって、 フリルの部分にさらにピンクのフリルを重ねて付けてあるというと ってもかわいいものなのです。宝塚でロケットを何度も観ている私 ですが、この衣装だとなぜか気恥ずかしいのでした。(^^;) ボレロは特に女役が下手奥から上手花道にズラリと並んだ景が 壮観です。


全体的に見ると、緩急織り交ぜてとても見応えのある楽しい ショーになっています。あやめ池だけではなく、他の都市部の劇場に 持っていきたい出来と言えるでしょう。