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東宝エリザベートの意義

(2001/5/27)


「エリザベート」というミュージカルの大衆化という点では大いに寄与した と思う。宝塚での日本初演時には宝塚を観る人に限られた楽しみであったが 東宝での上演でその門戸が開かれて、観たいと思えば観られる作品になった。 これは大いに歓迎すべきことだと思う。
# 山口トートは人気が高くてチケットが取りにくいようだが。

だが、演出的には演出家は同じ小池氏で、少々変更はあったものの宝塚での 演出とたいして変わっていない。いくら演出を変えようからって舞台上の 人の動きを宝塚と逆に(下手を上手に、上手を下手に)することはないの ではないかな? 確かに舞台装置には金がかかっているし、暗めの照明が いい雰囲気を作っている。大島氏によるトートダンサーの振付は、まんま H・R・カオスではあるけれども、「死」のイメージにははまっている。 だがこの演出では、組が変わりキャストの変化を楽しむ宝塚の見方と同じ 見方を強いられているような気がする。つまり宝塚演出で違うカンパニーの 作品を見ているような感じというわけだ。

出演者の技量を見ても、せっかく外に出したのだから宝塚をしのぐ人材の 起用をしてほしかった。「私だけに」の最高音が苦しげな一路シシィ、 歌えない内野トート、踊れない&演技ができない山口トート、歌えない 寺泉マックス、歌えない高嶋ルキーニなど観たくない。この辺りは興行を 考えなくてはならない東宝の限界かもしれない。

宝塚のすべてが優れていたとは言えないのは確かだが(歌えない麻路トート など)、シシィ: 白城あやか、花總まり、トート: 一路真輝、姿月あさと、 ルキーニ: 轟悠、ゾフィー: 出雲綾、の方が今の東宝のキャストよりはるかに 優れていたと言える。
# 一路氏が両方に入っているのは皮肉な結果だが。

上演権が宝塚に戻ってから宝塚がどのような作品を作っていくかにも 注目したい。
# 次のシシィとして観たいのは、現在宝塚雪組所属の紺野まひる。
# シシィだけではなくて「オペラ座の怪人」のクリスティーヌも見て
# みたいが、さすがにこれは無理か。:-P