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OSKに対する提言

(2001.8.16)


OSKの魅力

(1) ダンスレベルの高さ

OSKの第1の魅力はそのダンスレベルの高さです。 ショーやレビューの公演が多い劇団であることがその理由だと思います。 個々人のレベルが高いのはもちろんですが、群舞における振付の揃った様子は 他の劇団の追随を許しません。個人的なハイレベルな人は劇団四季や宝塚 歌劇団にもたくさんいますが、これほど全員のダンスのレベルが高い劇団は ないと言ってよいでしょう。

(2) 実力主義

宝塚歌劇団の本公演ではその組の全員が出演しますが、OSKではそうでは ありません。各所で複数の公演を行っているからというわけではなく、 その公演に出られる実力があるかどうかで決まっているようです。また、 OSK FACE という年1回発行される劇団員名簿の序列は完全に成績順で、 宝塚歌劇団のように学年・成績順ではありません。この成績は毎年行われる 試験と出演した舞台の数で決まります。

(3) 親しみやすさ

しかし、OSKの最大の魅力はその親しみやすさではないでしょうか。 劇団員個人のファンクラブも存在しますが、宝塚歌劇団と比べると はるかに規模が小さく、劇団員とファンの距離は非常に近いです (ベルばら以前の宝塚歌劇団もそうであったようですが)。 劇団側も定期公演では「ファンの集い」を開催して、ファンと劇団との 距離を小さくしようと努力しています。もし将来OSKの人気が上昇したと しても、この親しみやすさだけは失ってほしくないと思っています。

(4) チケット代の安さ

あやめ池の定期公演を観るとわかりますが、衣装は使い回しが多いですし、 音楽は録音です。劇団員の人件費も安いです(劇団レッスンなどなく、 個々人が自費でレッスンに通っています)。 だからあやめ池遊園地での定期公演の観劇料も安く抑えられるわけです (公演期間が長いのも安い理由の1つですが)。 一般入園客の観劇料も安いのですが、さらに驚くべきことに、 OSK後援会会員はあやめ池定期公演の観劇料は無料です (遊園地の入園料のみ。しかも入園料も半額になる)。 もう少し後援会員からもお金を取ってもいいんじゃないかと思うんですが。 ちなみに外部の会場での公演では普通の演劇と同レベルのチケット代と なります。


しかし、リストラによる劇団員数の削減、OSK日本歌劇学校の休校、 賢島宝生苑公演の終了など劇団を取り巻く環境は非常に厳しく、その存続が 危ぶまれている状況です。そこでいくつか提言をしてみます。

劇団は劇団員と観客にビジョンを示せ
このままの状態がずーっと続けば劇団解散になることは明らかですし、 解散となる前に劇団員が続々と辞めていく状況が発生するでしょう。 OSKは宝塚と指向しているものは似ていますが前述したように劇団の個性は かなり異なっています。宝塚にないものをすでにたくさん持っているのです から、それに方向性を持たせて劇団の未来を示していく必要があるでしょう。 来年には80周年を迎えるOSK、その歴史がこれからもずっと続いていくことを 願っています。
OSK日本歌劇学校の募集再開を
人がなければ劇団が成り立ちません。特に宝塚やOSKのように未婚の 女性のみによって構成される劇団は定期的に団員を補充しないと 劇団として存在基盤が危うくなります。最低でも2年に1回は募集を実施すべき だと考えます。
よい作品があれば客は入る
「闇の貴公子」はとても優れた作品でしたし、興行的にも成功した 作品だったと言えるでしょう。北林佐和子氏の和物路線はOSKの1つの ジャンルとして育ってきているので、洋物の路線でも何か1つヒット 作品が出て欲しいものですね。
東京公演の定期化
残念ながら演劇文化の中心は東京となってしまっているのが現状です。 毎年は無理でも2年に1回くらいは東京で公演を行い、OSKの存在を より知らしめる努力が必要です。
一層の営業努力を
よい作品であってもチケットを売らなければ客は入りません。 宝塚のような拝金主義も困りますが、もう少しお金儲けを考えても よいのではないでしょうか。「闇の貴公子」ももっとタイアップを 工夫すればより集客力がアップしたと思います。
また、現在、あやめ池での公演では後援会員は 無料で観られますが、500円くらい徴収してもいいのではないかと 思っています。

あ、それから、「虹色の彼方に」はどんなにマンネリと呼ばれようが 毎公演カーテンコールの最後に付けて欲しいです。