2000/10/22(日)13:00 ル・テアトル銀座
1階12列25番(上手側)で観劇。
1時間15分 (15分休憩) 1時間15分
石川禅と毬谷友子の2人舞台と言ってよいでしょう。 最後は心ならずも涙ぼろぼろになってしまいましたが、 拍手はあまりしませんでした。
というのも結末が気に入らないからです。こんな結末の付け方 は古すぎる！ハッピーエンドこそ全て！と言うつもりはありませんが、 何とも後味が悪い。というのも私は健全なるＳＦ推進論者でして（笑）、 幼少のみぎりより「過去に操作を加えてはならない」ということを 頭にたたき込まれて育ちました（笑）。「タイムパトロール」だったか？(^^;) あ、後先になりましたが、タイムスリップものでしてとても見事な 作品だとは思います。25年前の兄の自殺、誤解していた父への理解、 そして…辺りの展開はとても見事で、ミュージカル化もうまくいっていると 思いますし、朝倉摂さんの盆回しを前提とした舞台装置はそれはそれは すばらしい。それだけにやりきれない気分になる結末だけはいただけない。 禅さんの熱唱や友子さんの歌声がよかっただけに本当に残念。
さて、他にも難点がありまして、まず戦後の闇市の雰囲気が音楽 座の作風と合っていないことを挙げます。なんというか洗練された 感じがするんですね。小劇場役者で作った「キレイ！」は戦後の闇市 ではありませんが、こんな感じが欲しいと切に思います。 「キレイ！」以外では自由劇場みたいな雑多な雰囲気っていうかね…。
もう一つは一部キャストの歌唱力で、運転手役の佐藤伸行とアム ール役の沢木順。特に沢木さんはセリフと演技がとてもすばらしか っただけに歌の出来が残念でした。技術的にはそれほど下手じゃな いんですが、声量が足りない（セリフと比較して）のがイマイチで した。
というわけで私としてはもう一度は観たくない作品となったわけ で期待していただけに大いに残念。