ジャズやミュージカルのスタンダードが多く楽曲的には親しみの もてるものが多かった。また観客を舞台に上げる観客参加型の作品 という劇団四季としてはとても珍しくまた楽しい趣向もあって好感 が持てる。クリスマスイヴということもあり、ライトスティックを 観客に配って共に「きよしこの夜」を歌うという思わぬクリスマス プレゼントも楽しかった。知寿さんがめいっぱい歌っているのを見 る&聴くだけでもOK。
だが、作品的には四季そのもので、私自身はあまり好きなタイプ
ではない。なぜかというと、都会的でハイソでスマートで清潔すぎ
る印象が作品的に薄っぺらいイメージを抱かせる。テーマがない
ショーであることもその感覚を助長させている。この点に関しては
初演から変わっていない。
# 一言で言えば「ええかっこしい」に見える。:-P
ダンスはダンサーと振り付けのレベルは非常に高い。ただし、初
日だからなのか群舞はあまり合っていなかった。テンポを外して踊っ
たりいわゆるノリ的なものなら許容範囲なのだが、特に第1幕のタッ
プは簡単な振り付けなのに関わらずバラバラで悲惨だった。あのタッ
プはお金を取れるレベルのものではありません。
個々人で見れば日本中のミュージカル界でトップレベルのダンス
力なのだが…(OSKなら太刀打ちできるかな?)。
さらにダンスということで構成的に納得できないのは「ミスター・
ボージャングル」を使いながらボーカルとボージャングル役の役者
のみでダンスがないこと。もったいない使い方だと思いましたね。
一番構成的に疑問に思ったのは最初のハレルヤによるゴスペルコー ラス。この衣装、ゴスペル、ダンサーと歌手が入り乱れての構成を 見て思い出すのは宝塚歌劇団宙組公演でのショーの名場面「明日へ のエナジー」(ベルリン公演でも使われましたが)。宝塚がオリジナ ルというわけではないでしょうが(舞台でやったという点ではオリ ジナルかなあ?)、宝塚の公演からそれほど年月が経っているわけで もないので、二番煎じと言われてもしょうがないんじゃないかな。
# ちなみに2〜3月の東宝での花組のショー「Asian Sunrise」の
# 「アジアン・パワー」の場面は「明日へのエナジー」花組版
# と言えます。ショー自体は最低の作品ですが :-P 参考まで。
月末にもう一度観に行くのでそのときには群舞の揃った出来になっ ていることを期待してます。
# あつ(大平敦子)はもっと裏声が出るようにならないと…。