劇団四季「李香蘭」

劇団四季「李香蘭」を観て来ました。

今日はＢＳで昨年の雪組絵麻緒ゆうのさよなら公演「追憶のバルセロナ」「On The 5'th」をやっていたので、家で最後まで観て行ったので、ぎりぎりでした。昨年東京公演で見たときは、なんてつまらない公演だろうと思ったのですが、今日テレビで観ると、すごくいいと感じました。２部のショーが大階段で終わらず、最後に全員白い衣装でタップで終わるところなんてかっこいいです。去年どうしてこの公演の良さが分からなかったのだろうと思ったりしました。アートスフィアの「I Love You! 愛の果ては」もみに行く予定なので楽しみです。

ところで肝心の「李香蘭」ですが、
１．
３列目とチケットには書いてあったけど、一番前の席でした。重ねがさね、四季って、会員になると先行予約でいつもいい席がとれて、なんていいのでしょう。
「マンマミーア」はさすがに一番前ではなかったけれど、それ以外のすべての公演１列目です。会員になって土日のいい席がとれることほど、幸せなことはないです。一番前だから見えたけど指揮者がすごくいい男だった。
２．
全体的には満足でした。たぶん、若い方には暗いというか、重いのでおもしろいと感じないかもしれないですが。。
ただ、最初からすぐ感じたことですが、なんか雰囲気がすごく宝塚の「エリザベート」そっくりでした。似すぎ？？まさかぱっくったってことはないとは思いますが。。そもそもストーリーテーラーをたてるのは、ミュージカルのひとつの手法だし、民衆の怒りや、最初と最後を同じシーン、特に裁判のシーンなんて、どこでもやりそうなことだから、ぱくりではないとは思いますが。。せりふより唄で場をつないでいくところなんて。。何か、似てるなーとずっと思いながら観ていました。
３．
「エリザベート」でいうとストーリーテーラーのルキーニに相当する役が、川島芳子ですが、これを「Crazy For You」のボリー役をやった、濱田めぐみさんでした。「Crazy For You」のときは、声が嫌いと思ったけど、今回はかっこよかったです。人を食ったしゃべりかたなんて、まさしくルキーニそっくりでしたけど、唄もよかったし、軍服姿もりりしく安蘭けいとまではいかなかったけど、男前ですごくかっこよかったです。
帰る途中、駅に向かうまで、観客が口々に評論しながら帰るのがまた楽しみなのですが、彼女の評判があまりよくなかったです。私はすごくよかったと思いました。人によって好みが違うのね。
４．
戦争を知らない、そして山口淑子という人をよく知らない私には、今ひとつ、軍部にどう利用されていたか、それが結局どれほど効力があったのかがよく理解できなかったし、すごい人気だったらしいけど、それがもっと極端におおげさに表現できれば、暗い戦況と華やかな活躍が対照的でおもしろかったと思います。それになぜ裁判で死刑を求刑されるほどの罪だったのか、説得力に欠けたように思えます。
よかったけど、今ひとつ理解できず、説得力にかけました。もうひとスパイス足りなかったですね。これは脚本の問題です。
５．
舞台に本物の男がいるということが、これほど迫力あるものかと感動しました。とにかく宝塚の男役みたいに華やかさや美しさ、かっこよさはないですが、歌がすごい。あの唄声は宝塚にはまねできないですよね。みなさん、声がよく通るし、はっきりしゃべるので、せりふが聞き取りやすい。
６．
主役の野村さんは何歳なのか知りませんが、パンフを見る限り、結構お年そう。それなのに、６歳のときの超ミニワンピースの子ども姿はおそれいりました。あのかっこうはさすがの宝塚宙組の花ふささんでもできないでしょう。松田聖子もまっさおです。彼女はよかったことはまぎれもないのですが、もうすこし声がキンキンで声量と高音がでるくらい唄がうまいとよかったかなと思います。
７．
舞台が狭い。もともと秋劇場は赤坂ＡＣＴシアター並でダイナミックな芝居、踊りがなかった。というか、宝塚みたいにたとえ狭い舞台でも広く見せる技がない。舞台使いがへたと思います。これは振付師とか舞台演出の問題でしょうか。

それにしても、今日、濱田めぐみかっこよかったですよ。私の今日の一番は男前（女役ですけど。。）の濱田めぐみです。まあまあお奨めの公演です。