劇団四季秋劇場「南十字星」阿久津・大平

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406. 劇団四季秋劇場「南十字星」阿久津・大平

ユーザ名: yasuko
日時: 2005/12/25(23:36)

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劇団四季秋劇場「南十字星」を観てきました。
今日はクリスマスなので、カーテンコールでジングルベルをやってくれました。

本当は「南十字星」は観るつもりはなかったのだけど、ここまできたらオルゴールもらいたくて、ついチケット買ってしまった。劇団の思う壺だ。
オルゴールの曲は「異国の丘」の”明日への祈り”だった。本当は李香蘭がよかったんだけど。どうせなら、3曲全部はいったオルゴール作ればいいのに。
ところで、引き換える時に、なぜか私の購入履歴がリストになかったらしく、本当にこのカードで買われましたか?って疑われてしまいました。家に帰ってPCのメイルをチェックしたら、確かに会員カードで買っているんですけどねぇ。疑われてちょっとむかついた。予約番号控えてたんで、言ってやればよかった。

昭和3部作を見終わって、本当に見ごたえあったと思います。暗くてつまんないって言う人もいたけど、私は面白かったけどなぁ。私の好みにはばっちりはまっていました。

「李香蘭」は主人公が他の2つの作品の主人公達とは違い、”平和のために”強い意志を持って動いたわけではないので、今一つ生き方にインパクトがない。でも、3部作の第一発目としてはこれを持ってきて正解だったと思う。とにかくシーンの展開がめまぐるしく、曲もバラエティに富んでて、日劇ショーなど目も楽しませてもくれるし、見ていて面白かった。これを観て、結果的に”日劇ショーきれいだった”だけの感想で終わってしまい、戦争のことなど感想になくても、それはそれでいいと思う。ちょっとばかり興味をもってもらい、次も観てみようかなって思わせれば成功なんです。

「異国の丘」はストーリーがすばらしい。前半は特に言うことないくらい両者の思いが激しくぶつかり合って、非常に緊迫感があった。ただ、今にして思うと、後半あまりに一方的だったような気もする。”日本はかわいそう”で、”ロシアはひどい”で終わった感がある。その時、祖国日本では彼らを帰還させようと奔走した人はいなかったのだろうか。また、ロシアには悪い人ばかりじゃなかったはず。ラ・アルプに書かれていたけど、ロシア兵に隠れて、日本人捕虜に隠れて食料を運んでくれた現地の人のシーンが1シーンでもあったほうがよかったのでは。。ここが李香蘭と違う点かな。李香蘭は日本と中国の両者の立場をほぼ均等に書かれているけど、異国の丘はロシアじゃ上演できんでしょ。戦争は両者の立場をかかないといかんのじゃないかと思います。ロシアも日本に対して言い分があるはず。

「南十字星」は観てみるといいんですね。でも積極的に見ようという気にならんのです。なんでかなぁ。今日観て思ったけど、登場人物全員の服が農民と兵士のシーンがほとんどで、終始舞台上が暗い。現地のダンスシーンはあるけど、なんとなく”目”を楽しませてくれないんですよね。

「異国の丘」では日本のシベリア抑留兵が一方的に虐待されていたけど、こんどはオランダの捕虜が日本兵に殺されたりしてる。
つまり、3部作をこの順で、3つ全部観て思ったけど、戦争がいったん始まると、被害者があるときは、または別の場所では加害者になりうる。つまり被害者も加害者で、加害者も被害者なんです。そして、殺される時に理由は要らない。罪もない人が理不尽に弁解もできずに殺されるのが戦争なんだってわかりました。特に見終わった後に”納得できん”っていうもやもや感、消化不良感を与えて終わることが「南十字星」のねらいかな。いっしょに誰かと観に行ったら「なんで。。。なのか?」って帰りに議論に絶対なると思う。そういう点ではこれを最後に持ってきて正解だったかも。
ただし、これも最後一方的すぎて、アメリカじゃ上演できんでしょうね。

でも、昭和3部作非常に見ごたえありました。またぜひ再演お願いします。


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