シアターアプル「テネシーワルツ 江利チエミ物語」

シアターアプル「テネシーワルツ 江利チエミ物語」を観てきました。

島田歌穂：江利チエミ
久野綾希子：美空ひばり
絵麻緒ゆう：雪村いずみ

絵麻緒ゆうは別として、島田さん、久野さんがでるなら、チケット争奪戦になること必死と思い、先行で早くもチケットを確保していたのですが、ふたを開けてみたら、相当チケットあまったらしく、得チケで半額以下で売られていました。
退団したら、彼女たちの実力をしても、客を呼ぶのは難しいのですね。劇団の力、大型劇場の力というのはあなどれないのですね。政治力というかバックの金の力には、実力ではかなわない悲しい現実です。

正直、彼女たち以外のアンサンブルは若くて、踊りもいまいちで、とてもオーディションで厳選されたとは思えなかったです。特に男性でどうみてもダンス苦手でしょう？って人いました。
つまり、３人の歌を堪能するためだけの舞台ですね。

舞台といっても、ほとんど３人のヒット曲を歌いまくり、後は後ろのスクリーンを映して時代背景を説明したり、ストーリーテーラーの父親役と虹川清子役が説明するだけ。役作りとか、演技力とか演出とか、議論するような舞台ではなかったです。単純に２人の歌のうまさを堪能するためのショーです。お年寄りがさすがに多く、いっしょに唄っていらっしゃる方もいました。

島田歌穂はさすがに天才的ですが、”凄い”ってイメージが強すぎるため、意外に声量がないことにちょっとあれって感じがしました。でも、どの曲もすばらしかったです。特に、ヴァイア・コン・ディオスって歌（結婚前に高倉健を想って歌う歌）が凄くよく、１幕がすんで、「これ何て曲？」って幕間に客席が騒然となりました。
そして、彼女でマイフェアレディも見てみたい気がしました。
何で、高倉健と離婚したんだろうって想っていたけど、そういう訳だったんだって分かりました。だから健さん、いまだに独身なのね。なんて一途な男だろう。それにしても、御本人がまだ存命なので、イメージを悪くしないように、相当気を使った脚本になっていました。
そして、美空ひばりは、華々しく散っていって記憶にあるけど、彼女はなんだか悲しい最期だったのですね。
３人とも、人気があって歌手としては栄華を極めたけど、私生活ではいろいろ苦労したのですね。きっとお姉さんは悪い男にだまされてそそのかされていたか、小さい頃からのあまりの境遇の違いに、嫉妬してあんなことしたのでしょうね。それもまた悲しいです。

久野さんは、そこまで似せなくてもっていうくらい研究しつくして、歌だけではなく、せりふも美空ひばりそっくりでした。最初、この３人で３人娘するなら、キャスティングがあってないだろう。どう観ても、久野さんが雪村いずみっぽいし。。とか思ったけど、あまりに似すぎて笑っちゃいました。
ただ改めて美空ひばりの歌のうまさが分かりました。あの声はさすがの久野さんでも出せないです。

ところで、
久しぶりに、新宿コマ前を通ったら、数ヶ月前までは、We Will Rock You で若者街化計画中だったのに、すっかり元に戻っていました。それどころか、おじいさん、おばあさんの待ち行列が物凄く、宝塚の出待ちより凄い列でした。何でも北島三郎さんの公演の当日券待ちらしいです。彼がそんなに人気があったとはちっとも知らなかった。とにかく、新宿は何も若者の街に無理に変えなくても、今までどおり演歌公演でおじいさん・おばあさんの街でも充分にぎわっているじゃないですか。
結局 We Will Rock You はチケット売れたのでしょうか。私は１回しかいかなかったです。ミュージカルより、QUEEN 本人達の MUSIC VIDEO の質が高すぎて、これを舞台が超えれなかったのが敗因ではないかと想います。ついにコンサートの DVD を買ってしまいましたが、曲がすばらしいし、歌がすばらしいし、どうみてもコステュームが変態っぽいし、あの時代では、相当変っていただろうと想いますし、もし生きていたら、まだまだいい曲を作ってくれていただろうと想うと、凄く残念に感じます。