四季・秋劇場「李香蘭」

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365. 四季・秋劇場「李香蘭」

ユーザ名: yasuko
日時: 2005/8/27(22:17)

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本日劇団四季の「李香蘭」を観てきました。
感動した。凄くいい作品だ。ぜひお勧め。

数年前、1回観た時、いい作品とは思ってはいたのだけれど、こんなに感動した記憶はない。実は先行予約で1回だけでいいやと思い、千秋楽1枚だけ買っていたのです。先日「オペラ座の怪人」を観て、幕間に昭和3部作のプロモーションビデオが、繰り返し流されているのを観ると、千秋楽まで待てなくなり、”前日予約”とやらで、2階席の最前列の席をとりました。

2回でも足りない。土日仕事はいらなかったら、また”前日予約”とやらで見に行きたいです。

この”感動”が、「レミゼ」とか「モーツァルト!」とかの”感動”とは、違う種類の感動なんですよね。どういい現せばいいのか。。。

李香蘭:野村玲子
川島芳子:濱田めぐみ
李愛蓮:五東由衣
杉本:芝清道

細かいことを言えば不満な点もあるのです。たとえば、

・女性アンサンブルが弱い。いや弱すぎる。あれでは宝塚以下??

・満映にはいるいきさつを話す長いせりふのシーンと、戦士の時世の句をひとりひとり話すシーンは、正直長すぎて、ちょっと飽きたかぁ。

・野村さんの歌は、ときどき危うかったですね。長くミュージカルでお見掛けしなかったけど、もう昔ほど声がでなくなったのかな。彼女が李香蘭をやれるのがこれが最後かも。。

でも、それを上回るだけの、すばらしいものがありました。
オリジナル作品で、これだけ練り上げられ、何度でも再演を繰り返し上演しつづけるのは、それだけ作品に対して思い入れが強い自信作だからだと思います。

・戦争物ですが、内容が”こうあるべき”とか”これが言いたいんだ”とか、おしつけがましくなく、事実を淡々と伝えているところに意義を感じます。

・歌は技術的には全盛期より劣ってしまったのかもしれないのですが、野村さんがやっぱりすばらしい。彼女なくして、李香蘭は考えられない。キャスト表に3人名前が挙がっているが、他の人はいやだ。野村玲子でもう一度みたい。
愛らしくて、いい年してかわいすぎるけど、全然いやみや無理がない。いつ見ても可憐。日劇のリサイタルの歌は、すばらしかった。山口淑子のヒット曲全集を野村玲子でCDだしてほしい。

・この作品になくてはならないもの。それは、やっぱり濱田めぐみの”あの声”で川島芳子のストーリーテーラーでしょう。これがこの作品を面白くさせていますよ。他の3部作はやっぱちょっとまじめすぎて暗くて。。でも、川島芳子は笑えますよ。そして軍服がかっこいい。最後の処刑の最後のせりふまで、男前でかっこいい。前回は、日劇7周半のところで、「浜崎より、宇多田より人気があった」といってましたが、今回はそれにチェ・ジウもくっついていました。
彼女がいることで、話の展開がテンポよく、暗い話でも結構楽しく進んでいくことができたし、ますます彼女が気に入ってしまった。川島芳子も途中から交代みたいだけれど、やっぱ濱田めぐみでもう一回みたい。

・男性アンサンブルがすばらしい。特に最初と最後の「殺せ!殺せ!裏切り者を!」っていうシーン。なんかの映画かオペラで似たメロディがあるけど、思い出せない。ぞくぞくするほど感動的。他にも軍人や裁判官とか、おじさん達の低音がこの作品にいい味だしています。男性のダンスシーンも迫力満点。

この戦争、中国と日本が逆の立場であったなら、果たして日本の軍事裁判の裁判長は”李香蘭”を無罪としただろうか。よくぞ、その時の中国国民感情に流されず、お互いの国の将来のために、人道的に判決をくだしてくれたと感謝したい気持ちです。
昨今の中国の反日運動とかみると、戦後の中国の急速な発展は”復讐心”や”怨念”が原動力になっているのかも。。
軍事裁判で、中国人と偽って、蘇州夜曲なる映画に出演してってあるけど、どんな内容なのでしょうか?見てみたい気もする。

そして、この「李香蘭」ぜひ、野村玲子、濱田めぐみで映画化して、後世に残してほしい。これは、学生もぜひ見てほしい。こんなすばらしいオリジナル作品を作ってたら、そりゃ野村まんさいさんに、”ブロードウェイのミュージカルを日本に紹介するのが四季”って表現されたら、噛みつく気持ちもわかるわ。


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