Re: 星組バウホール「それでも船は行く」柚希礼音主演

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314. Re: 星組バウホール「それでも船は行く」柚希礼音主演

ユーザ名: 金子
日時: 2005/3/21(14:17)

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 こんにちは。大劇場が「彩輝直サヨナラ」の最高潮の裏番組、ということで客席はよく埋まってました。東京の方はCSで十分ですよ。

星組 宝塚バウホール公演
3月20日→は列27

バウ・ミュージカル
「それでも船は行く」
作・演出/太田哲則

<解説>
 大西洋航路の客船を舞台として、二組の男女の恋物語を中心に、乗り合わせた乗客達の不思議な出会いと、それぞれの人生哲学を描いた軽妙なタッチのミュージカル作品。

 1920年代、大西洋航路の豪華客船コンコード号に乗り込む乗客達。一等船室には、米財閥の御曹司であるジョニー・ケイス、米社交界の名花スーザン・トレイシー、その婚約者で貧しい炭坑夫から這い上がった青年実業家ヘンリー・ファーリントン、そして三等船室には新聞記者のマイク・コナー、ピアノ教師のジュリア・ガーネットが乗船していた。
 ジョニーとスーザンはかつては恋仲で婚約までした仲だったが、スーザンの完璧主義にジョニーは疲れ酒に溺れ、スーザンもジョニーの大まかな性格に嫌気がさして、婚約を解消。スーザンはヘンリーの成功への飽くなき努力に心酔し、周囲の反対を押し切って婚約した。
 かつては小説家を目指していた文学青年のマイクは、港で、学生時代の友人ジョニーと再会し、かつてはピアノ演奏家としての夢を持っていたジュリアも、港で学生時代の友人スーザンと再会する。
 ジョニーは嫉妬心も手伝ってかつての恋人・スーザンの婚約をブッ潰す計画をするが・・・。
 さまざまな人生模様を乗せて航海する豪華客船。やがて船は港に着く。さて、下船する人々の運命は・・・・。(ちらしより)

<主な配役>
ジョニー・ケイス(米財閥の御曹司、スーザンと婚約までしたが・・・):柚希礼音
ハロルド・ハロウェイ(男爵・・):立ともみ
ヘンリー・ファーリントン(スーザンの婚約者。野望に燃える青年実業家。)大河睦
ジュリア・ガーネット(船上ピアニスト。スーザンの学友。):真白ふあり
リンダ・ボーモン(伯爵夫人・・・):華美ゆうか
マイク・コナー(新聞記者。ジョニーの親友。):一輝慎
スーザン・トレイシー(米社交界の名花、ただし氷の花。):蒼乃夕妃

<感想>
 「なんとか『公演』にこぎつけたね」

 この作品については、涼主演(「A班」と内部で言っている、以下同様に)のときに書いたので、演出が変ったわけでもないので書かない。

 さて、この柚希主演(よって「B班」)であるが、プログラム(500円だが)を買うのも渋られる方にとっては、一幕が終わって「柚希礼音しかわかれへんわ」となるような下級生主体の公演である。金子もなんだか、ずっと「演習」というか「練習」を観ていたような感じで終幕した。すると、アナウンスが聞こえてくるのである。

「本日の公演はこれで終了しました。またのお越しを・・・」

 正直、「『公演』だったのだよね?」と自問自答してしまった。ハード(劇場)・ソフト(脚本・衣装など)はちゃんと「公演」できるものが用意されているが、ソフトを操る側がどうも用意されたものを十分に扱えないメンバーだった、という感じだ。家に帰っても、「公演」といえるにはすれすれ、まだ「新人公演」、いや「○○祭」(丸の中を書いたら大劇場にいけなくなりそうなので・・・)のほうが良かったのではないか、と感じた。「若手育成」とはいえ、4500円とるからには、それなりの程度というものがあると思う。例えば、B班は4000円にして、A班は公演期間が長いし5000円取る、でもよかったのでは。あと、A・B班それぞれ、主役は決まってしまっているからそのままで、そのほかのメンバーの学年の平均を同じにするとか、花組の5パターンでやってみるとか、A・B班の均衡が取れないと同じ4500円というのは難しいと思う。今回は、現在の「星組大劇場新人公演」の中堅がほとんどいない感じで、上と下級生の陣容だったので余計そう感じたのかもしれない。以上暴言お許しを。

 でも、メンバーとしては、大人向きの内容に正攻法で取り組んで、「これから」につながるよい機会を与えられたと思う。あまりに一生懸命やっているので、観ているこちらが「うん、うん」といいたくなるとか、計算がみえみえのところも「ああ、そう考えてやっている?」と思ったが、そこは「若手育成」で今後に期待したいと思う。後はA班のときに書いた立ともみさん以外の個人別に。

 柚希礼音。星組下級生において押し出しNO1、といってもいい彼女だが、新人公演の主役も経ているし、専科を除けば上から2番目ということもあり、主役の風格があった。また、ものすごく頼もしくみえた。演技は売り出したころの少し間違うと一本調子、というところは完全に克服していると思うし、ダンスは素晴らしい。歌は下の音域が少し弱いかな、と思う。涼のジョニーは大学を出て、別に働く必要もなく、プレイボーイのお坊ちゃんを満喫している感じだったが、柚希のジョニーは大学を出たものの、別に働けとも言われないし、まあプレイボーイをやってみるか、という感じがした。押し出しがいいので、今後は悪役など観てみたい気がした。ただ、押し出しだけで勝負できる役ばかりではないので、繊細な役などもこの学年の時期にやってみる必要もあるか、とも思う。

 大河睦。もう少し、成金趣味のところ、ビジネスにおいて成功したタフさ、など表現する必要があるのではないか。ただ、弱腰のところはA班とちがう攻め方であったが、もう少し自信満々の鼻持ちならないイヤなヤツ、という感じがあればいいと思った。

 真白ふあり。娘役では星組NO1の歌唱力を誇る、A班の仙堂花歩と比較するほうが酷なのだろうが、とにかく歌唱力の上達を。4人の中では一番堅実なジュリア、という役づくりは出来ていたが、もう少し表情が明るいほうがいい。

 華美ゆうか。伯爵夫人の振りをするところは、髪型も工夫してあってなかなか優雅に見えた。ただ、正体がばれたときは、それまでとの落差をもっと激しくするとよかったと思う。でも、「美貌を利用した、新手の女ペテン師」というように見えたので、このドラマにおける役割は果たせていたと思う。

 一輝慎。ジョニーとは生活もぜんぜん違うのに「いい友達」で、ジュリアに対してもちゃんと反省する、地に足が着いた人間は表現できていたと思う。歌はもう少し。

 蒼乃夕妃。研1での抜擢であり、今回の目玉、とも言えるだろう。外面から言うと、鬘の工夫などはまだまだだ。ダンスは上手のようだが、歌は真白と同じぐらいがんばって欲しい。演技については、このスーザンという役は、最後の最後までいかないとかわいく思えないので難しいと思うが、「世間知らずのわがままなお嬢様」というところで乗り切った感じだ。この1作で評価するのは土台無理なので、「未知数」ということで今後に期待する。

 あまり、いいことが書けなかったが、勘弁していただきたい。このバウシリーズ、最後まで行きますから。


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