[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2024/11/29(17:34)]
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近鉄劇場で公演中のOSK日本歌劇団「新・闇の貴公子」を観ました。
第一印象:特殊効果(爆発音、銀テープ、スモーク)が多くてド派手!
結末は悲劇なんだけど後味はよい
基本的には冥界の小野篁、小野小町と若き日の安倍晴明との対決がメイン
で、それに晴明の初恋(平将門の娘・俤姫との。そして最後の恋でも
ある)を絡めています。
サブストーリーとして俤姫の姉・滝夜叉姫への袴垂保輔の恋、陰陽寮での
晴明の幼馴染の賀茂憲行と美宇との恋、篁と小町の道ならぬ恋、などが
あります。登場人物が多いわりには人間関係は複雑ではありません。
例によって式神も出てきます。
出来としては面白い。晴明若き日の冒険活劇といったところ。
フィナーレのショーは付きますが、芝居単体として見ても悲劇なの
ですが後味は悪くない。登場人物が多いけどうまく役を割り当ててある。
ただ、作・演出の北林佐和子氏の癖なのかもしれませんが、冒頭やラスト
に登場人物をすべて板に乗せた構成にして人物を動かしていますが、
今回はちょっとごちゃごちゃした印象を受けます。人の入れ方、出し方、
動かし方を工夫したほうがよいと思います。
登場人物はどれも(善人も悪人も)魅力的で、キャラが立っています。
♪安倍晴明(那月峻)
修行中の陰陽師というわけか1幕ラストから活躍が始まります。抑えた
演技がシリアスな展開の中で光っている。ラストでは涙の熱演。
♪沙月梨乃(俤姫)
晴明の初恋の相手。きれいですね。美しく、そして芯の強い女性です。
♪希望なつ紀(小野篁)、千爽貴世(小野小町)
冥界チームです。兄妹の道ならぬ恋。盲執ですな。人間の業の強さを
感じます。
♪若木志帆(滝夜叉姫)、桜花昇(袴垂保輔)
父・将門の復讐に命をかける姫と姫に心を寄せる家臣。滝夜叉姫の
父と妹への思い、保輔の主君の娘への恋。観ているととてもせつなく
なります。
♪高世麻央(賀茂憲行)、朝香櫻子(美宇)
ほのぼのチームと言いましょうか(笑)。高世さん、冒頭の踊りが
とても美しく格好いいです。朝香さん、ずいぶんかわいいキャラに
しましたね(^^;)。
♪吉津たかし(唯摩)、大貴誠(明神丸)
北原沙織(蕾)、大咲せり花(玉響)
式神チームです。コメディ担当で、暗い話の中の一筋の光、いや、
しっぽ?(笑)。こういうコミカルな役っていうのは外すか外さないか
の綱渡りなんですが、皆うまいです。
♪平将門(有希晃)、袴垂党(奈ツ城、森野、月川、桐生、綾瀬)
奈ツ城と桐生の骨太男役と娘役3人の組み合わせですが、皆バシバシと
槍や刀を振り回して立ち回り踊っています。すごい迫力です。
有希さんの将門は歌舞伎調です。ものすごいです。芸風に合ってる。
♪アンサンブルチーム
若手娘役陣が主にダンサーとして、宮中の女たち、花の精、ゾンビなど
を担当しています。特にゾンビの踊りが見どころですね。真ん中から
脇に至るまできっちりと踊っています。
フィナーレのロケットは大半が娘役で、上は大咲さんから下は最下級生
まで、今回もものすごいスピードの振付です。客席から登場しますので
通路脇の方はお楽しみを。客席登場の際には、前の場の大貴、有希、希望
の3人が舞台に残って手拍子講習となります(笑)。
P.S.
特殊効果の爆発音がありますので心しておいてください。:-P
先日の宝塚雪組大劇場公演を観た方、袴垂保輔という名前に笑わない
ように。
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