[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2024/11/28(19:47)]
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こんにちは。今月は大劇場を回避したのに、バウホール・ドラマシティと2回ずつあって、これもあって、そのうえコインショップで「夫婦善哉」2階ですが一等席を半額以下でゲットできたので行くことになり・・・、その上野球の交流戦のチケットも買ってしまい・・・、財布が寂しいです。それでは。
「マンマ・ミーア!」
大阪四季劇場
3月4日→ 1階B列 24
<当日のメインキャスト>
ドナ・シェリダン:保坂知寿
ソフィ・シェリダン:谷内愛
ターニャ:森似鶴美
ロージー:青山弥生
サム・カーマイケル:渡辺正
ハリー・ブライト:明戸信吾
ビル・オースティン:松浦勇治
スカイ:田邊慎也
<感想>
「ABBAとミュージカルのコラボレーションの結晶」
この作品は昨年1月東京の「海」劇場で、相当後ろの席で観たのだが、今回は最前列が取れたということと、大阪の一等地に劇場が出来て見物がてら母といった。キャストについては女性陣のところはあまり変らなかったが、男性陣は東京とはがらりと変った。
2回観て思うことは、このミュージカルの成功の要素はなんといっても、ABBAのヒット曲がエーゲ海の小島のホームドラマに上手くはめられているところだろう。まるで、このミュージカルのためにすべての曲が書かれたような錯覚を起こしそうに。また、それもヒット曲を使っているので「♪ダンシング・クイーン」など知っている曲が出てきて、最後はスタンディングまで持ち込める強みがある。
しかし、この作品のテーマは意外と古風な「家族のあり方」だと思う。21世紀に入って、DVだの幼児虐待やらが問題となり、挙句の果てに最近は一家心中まででてきた現代に中で、この作品に出てくる母と娘のつながり、男女の考え方などはあくまでも「あるべき姿」である。それが荒れたというべき現代社会において新鮮に思える、また家族というものを省みられるというところがヒットの理由だと思う。
東京で観たときは、「これをこのまま大阪にもっていったらどうかな」と思った。というのは、あまりにも整然としていて、アドリブもなかったからである。で、大阪公演であるが、東京と少しも変っていなくて、正直残念だった。脚本は変更できないとしても、誰かに大阪弁をしゃべらせるとか、アドリブをいれるとか、いわゆる「ドタバタ」が大阪には受けるのでその面を変えて欲しかった。大阪は「笑いに厳しい」と言われるが、確かに今回は東京のときより笑いが少なかったように思った。劇団四季というところは、基本的にアドリブ不可なのだろうか?この作品は現実的にはミュージカル・コメディだと思うので、もう少しエンターテイメント性が欲しかった。最後のスタンディングも東京のときは全員すぐ総立ちだったが、ばらばらと立った感じだった。あとは人別に。(敬称略)
ドナの保坂知寿。タフなシングルマザーの設定だが。スタイルにしても抜群だし、なによりも一挙一動が主役だった。演技も緩急がハッキリしていて、歌も完璧に歌いこなしていて、最高の当たり役ではないか。かなり一公演やったらハードな公演だと思うが、大阪も最後までお願いします、というところか。
ソフィの谷内愛。歌唱力はなかなかなので、すぐ他の演目でも大役が回ってくるのだろう。個人的には露出度の大きい衣装が多いので、もう少し痩せて欲しいな、と自分のことは棚に上げて思ってしまった。ちゃっかり者、というより溌剌としたソフィだった。
ターニャの森似鶴美。バツ3のいわゆる「お姉さま」の雰囲気は十分だった。ペッパーを相手に「坊やちゃん」と軽くあしらうところはドナにない「お色気」場面できちんと場面を作っていた。
ロージーの青山弥生。小柄で気がよく回る女性、ああこういう人いるな、という感じがすごくした。ビルに急に迫るところも嫌味が感じられなかった。保坂と並んで、もう四季の重鎮だろうに、しっかり脇を固めている。
パパの3人。ドナと最終的には結婚するサムの渡辺正は、正直一幕の台詞の一本調子が気になった。歌は十分なのだが。3人ともそれぞれの役の人生観を上手く出していたと思う。
スカイの田邊真也。あまり内容に関係ないが、この役名、他のミュージカルでは主役になってしまうのであまりいいとは思わない。証券会社からベンチャー企業を立ち上げるようという人物としては、もう少し堂々とした確信があってもいいのではないか。ただの2枚目ではないと思う。台詞ももう少しメリハリが欲しい。
最後にペッパーの大塚道人が役名のようにスパイスになっていて良かった。ただ、個人的にはこの役は関西出身者に当てて、大阪弁で話す役にすると面白いと思うのだが。
いろいろ書いてきたが、最前列で楽しめたし、最後はノリノリで家路に着いた。これで終わる。
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