[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2024/11/28(17:39)]
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「オペラ座の怪人」映画版を観てきました。
舞台のサイトなので、ここで書くべきではないかもしれないのですが、四季がやっているアンドリュー・ロイド=ウェバー版で同じなので、感想を書かせてください。(==>管理人さんの御判断で削除されても構いません。)
舞台を見られたことない方、ストーリーすらご存知ない方には、なぜか退屈で睡眠を誘うらしく、客席から出てくる方の反応は、人それぞれでした。でも、私は四季のミュージカルも宝塚みたいに、CDだけではなく、DVDもほしいと思っていたので、作品のでき如何にかかわらず、DVDでたら絶対買おうと心に決めました。ぜひほしいです。
1)クリスティーヌ
これほどはまり役はいないでしょう。可憐で本当に天使の歌声。
世界中に彼女以上に適役やいないと思えるくらいのはまり役です。すばらしいです。とにかく見てください。The Point Of No Return の色気のある表情。これは唄もすばらしいけど、演技力もすばらしい。来年アカデミー賞とってほしいですね。
2)ラウル
彼が適役かはいまいち疑問。もっと子爵様らしい高貴さがある端正な顔立ちがよかったかな。。
でも「ドン・ファン」でクリスティーヌが口ではファントムを怖がっているとはいいながら、本当は惹かれているのではと、涙ぐむシーンはすばらしい。この唄のシーンの3人は圧巻です。
3)ファントム
仮面をとってもさほど醜くないので、ちょっと拍子抜けしました。また、彼が適役かも疑問。仮面をつけていると、アントニオ・バンデラスっぽく見えたけど、仮面をとると、丸顔で、なんか怖さとか、哀れさ、悲しさが感じられなかった。
バラードは、正直四季の高井さん、村さんのほうがいいです。でも、激しい唄は、シャウトして、野蛮とうか、野生的な歌い方で、ファントムってこういう方がいいかもと思いました。ちょっと四季の役者さんは丁寧すぎるので、野生味が足りないのですよね。
それに、ファントムってオペラのストーリー作りから、作詞・作曲・編曲・唄の教育の才能だけではなく、一種の催眠術のような能力があったのではないかと思います。彼がバラードを唄うと、必ずクリスティーヌはトロンとした表情をして、夢遊病者のように彼に導かれるままにいいなりに動いています。
舞台の「オペラ座の怪人」のラストシーンの解釈は、見れば見るほどわからない。
福岡版と今の東京版では、キャストが違うからか、私の感じる印象が違うのです。映画版に関しては、戸田奈津子さんのあのシーンのクリスティーヌの和訳がいまいちわかりにくく、なぜ彼女がファントムにキスしたのか、よく理解できない。ラウルを助けるためになのか。。でも、言えることは、理由はファントムにとってはどうでもよかったと思う。それほど誰にも相手にされず、優しい言葉も書けられず、ひとりぼっちだった。だから愛するクリスティーヌにキスされただけで、あまりに幸せすぎて、あの表情だったと思う。そこで、もう心が満たされ、クリスティーヌとの愛のオペラの幕を下ろす決心をしたのでしょう。それくらい寂しい、哀れな人生をずっと送ってきたということだと思います。
4)ラストシーン
舞台のラストの後に、映画ではもう一シーン追加になっています。これがまた効果的。これあって正解だよ。これもいろんな解釈ができます。
この映画って、最初のオークションシーン、「ドン・ファン」のシーン、そして映画版のラストシーンのラウルの表情をどう解釈するかで、見た人により違うと思います。
このラスト・シーンが追加になったことで、宝塚の「ファントム」っぽくなって、救われた気がしました。宝塚同様、影の主役(というかストーリー・テーラーぽい役割)はラウルなのですね。そう考えると、彼の表情だけの演技はすばらしいですね。あの、最後をどう解釈するかは、見るたびに変ってくるかも。
ケン・ヒル版
劇団四季:アンドリュー・ロイド=ウェバー版
映画版:アンドリュー・ロイド=ウェバー版
宝塚:アーサー・コピット脚本、モーリー・イェストン作詞作曲
と、一昨年から、いろいろ見てきましたが、ケン・ヒル版以外はどれも満足。
ぜひ映画版もお勧めです。音楽がすばらしい。クリスティーヌの天使の歌声をぜひ聴いてください。調子にのって前売券たくさん買ったので、また見に行こうと思います。
とにかく、DVDが早く出ることを心より待ちたいです。
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