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270. 帝国劇場「ミス・サイゴン」市村・松・井上・岡・ANZA・戸井・高島
ユーザ名: yasuko
日時: 2004/11/10(22:31)
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帝国劇場「ミス・サイゴン」ひさしぶりに5回目を観てきました。
今日のメインキャストは以下の通りでした。
エンジニア:市村正親
キム:松たか子
クリス:井上芳雄
ジョン:岡幸二郎
エレン:ANZA
トゥイ:戸井勝海
ジジ:高島みほ
どうしても市村・松コンビが見たくてカード会社の割引チケットを買いました。
結構いい組み合わせなのに結局さばけなかったようで、売れ残ったようです。平日だから?と思っていましたが、行ってみて納得。学生の団体がはいっていたんだ。うるさいのなんのって。どなりたくなった。どうせ修学旅行か社会見学の一環で、観たくて見に来ている訳ではなく、学校の行事で組み込まれているので、ミュージカルなんて興味ないけど、しかたなく来ているから退屈だったのでしょうね。そういう人に始めてミュージカルなるものを見せるのもいい経験だけど、せめて四季みたいに、”学生の団体あり”とかスケジュール表に書いておいてほしい。劇場も学生の団体をとったらちゃんと観劇マナーとか教育してほしい。
ぐちはここまでにして。。
はじめての戸井さんは、いまひとつだった。いつも彼をみて感じることは、声量がない。今一つパンチが足りないんです。唄はうまいんだけど、なんかもの足りないんですよね。でも、死ぬシーンの表情は他のかたと違って、何とも言えなかった。あの表情は何を言わんとしたか?見た人の想像力をかきたてられる表情だった。愛するキムに撃たれて幸せそうに笑っているようにも見えたし、自分の愛が通じなくてせつなくて悲しそうにも見えた。ここだけは一見の価値ありかも。。
私は声が割れまくって、音程が外れまくっている tekkan トゥイが一番好き。もう観れないかと思うと悲しい。もうイメージぴったりだった。
前回最後でエンジニアは、「自分の夢を壊しやがって!何で死にやがった!」とキムに対して怒りを感じてあの行動をとったと思ったけど、今日のリアクションはちょっと違っていました。同じ人でも回をかさねると違ってくるんだ。。エンジニアは、タムを「金づる」とか言って、人を利用して自分の夢を果たそうとする、ずる賢い奴を装っているけど、本当は”3人運命共同体”で、いっしょに夢を適えるぞと、キムに対しても幸せになってほしいと多少感じているように思えました。今日の最後は本当に悲しんでいるように見えました。
本当はいい人なんだ。
1幕最後と2幕最後のタムに手を差し伸べるシーンに流れる音楽がいいですね。同じ曲ですよ。あの時の市村さんの目がいい!!なんだか気の狂った殺人鬼が人を殺す前の不気味な目をしています。これからどんなことをしてでも夢をかなえてみせるぞっていう期待と興奮と野心に満ちたぎらぎらした目です。あの目がぞくっとします。さすがベテラン。
そして、私はこのミスサイゴンって、キムのタムへの(母の息子への)究極の愛の物語で、キムとクリスの間には、苦しさを逃れるため、心の空虚を埋めるための付き合いで、愛などないと思っていたけど、今日のキムはなんだか、クリスをちょっとは本当に好きなのかもと感じました。愛というより、恋に近いかも。。でもクリスに関しては話にならない。結局極限状態(戦場での兵士)では、人間何を感じて何をするか、責任がとれないってことだと思います。やっぱ戦争ってみんなを不幸にするからやっちゃだめってことだと思います。この男将来自殺するかも。。とか思ってしまいました。そしてエレンが力強くタムを立派に育てていくような気がしました。キムが死んだ瞬間から悲しい顔から、「さあ、もう逃げられない。タムをひきとるしかないんだ。」と腹をくくったエレンの顔がなんだか印象的。
いざとなったら、男はうじうじしてて、女はさばさばしてる。
それにしても、みんながアメリカに行けば金持ちになれて、贅沢できて、幸せになれると夢みているのが、悲しい。アメリカ人に引き取ってもらえたら、子供の将来が輝かしいと信じきっているところが、情けないというか、他力本願というか、もっと自立しろよって思います。貧国の無教養さというか。。アメリカがそんなにすばらしいんだっけ??
ヘリコプターのシーンも必死でいい訳聴かされているようで、笑っちゃうよ。ほんとにもう。何度観ても、ここだけはなんだかなぁと思ってしまう。
後1回(今週末)で最後のミスサイゴンになります。最後は気合入れて観て、泣くぞってかんじで臨みたいと思います。うるさいのが近くにいたら、ぜったいどなってやる。
それにしても、聴けば聴くほどいい曲だ。そして今回すばらしいキャスティングで質の高い公演だった。アンサンブルも本当に大満足。
ところで、レミゼの先行チケット、すでに5枚も買えてしまいました。席がいいかはチケット来てみないとわからないけど、山口さんの日程でも楽にとれるもんだ。残りは最後の記念キャストがとれるかどうかですね。いざとなったら会社休んでも行こうと思います。
ほんとに、四季も帝劇も最近有名ないい作品を多くやってくれるので、うれしい限りです。仕事以外にこれほど夢中になれるものができるなんて3年前までは思いもしなかった。ありがたいことです。生きていく楽しみが増えました。
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