帝国劇場「ミス・サイゴン」筧・笹本・井上・石井・高橋・泉見・平澤

帝国劇場「ミス・サイゴン」の３回目を見てきました。
やっぱり、どのサイトでも、笹本、井上、泉見の評価が高いので、この組み合わせの週末をさがして、今日見にいきました。
きのうは凄い台風でしたが、いった方の根性に感服いたします。

エンジニア：筧
キム：笹本
クリス：井上
ジョン：石井
エレン：高橋
トゥイ：泉見
ジジ：平澤

まだ３回しか見てないけど、結構いろんな人見れました。
今のところ、私の中での最高の配役は、

キムは今日笹本さんを見て、彼女が一番いいです。レミゼから練習してうであげたのか、この役や唄のキーがあっているのか、すばらしいです。信じられないくらい期待以上でした。まいった！！です。末恐ろしい高校生ですね。新妻さんが一番と信じ込んでいたけど、こんなはげしい役彼女にあっているのかも。だんだん成長していく様子がうまく演じられていたと思います。

クリスは、石井さんが一番好きです。井上さんは確かにうまいですが、きれいすぎて、丁寧すぎて、この役向いてないような。。それに演技力で、石井クリスに軍配って思いました。モーツアルトのほうが逢ってます。それとレミゼのマリウス見てみたいです。

ジョンとクリスの石井さんを両方見ましたが、クリスのほうがあっていたように感じました。それに最初のクラブのシーンですが、ちょっとやりすぎ？？あまりに長椅子で、女性とのたわむれるシーン、濃厚すぎて、せっかくキムとクリスが歌っているのに、ジョンがきになって。そっちばかりオペラグラスで見てました。あれって、相手の女性が、今度はどんな格好させるの？って顔してましたが、毎回アドリブですか？？あんなこと、他のジョンもやってましたっけ？

トゥイは、私はこのストーリーで、唯一純粋で、愛が感じられ、人間らしらを感じます。泉見さんのトゥイはマリウスっぽくて、一途さを感じます。重ね重ね、私なら、トゥイを選ぶけど。。。
ちなみに tekkan さんのトゥイのほうが、私は迫力があって好きです。他の男の登場人物が情けないだけに、今回トゥイ役って結構カッコよくて、おいしいかも。

ジジは高島さんがいい。声が全然いい。

エレンは ANZA が一番好きです。高橋さん好きなんだけど、今回は高音がきびしいかな。

エンジニアは橋本さんも、筧さんも好きです。特に筧さん、よくなった。唄はへたですが、それを超える演技力があります。いい！！やっぱ舞台人ですね。

最初は、唄がいいとは思わなかったけど、改めて聞くと、唄が美しい。途中で転調して急に低くなるとこなんか、かっこいい。難しいのによく音程ちゃんとあって歌えるなと感心します。難しそうな唄ばかりなのに。今回アンサンブルも、すごく唄上手ですね。

見終わって思ったことですが、私勘違いしてました。
「究極の愛」って、キムとクリスの戦場で芽生えた愛、何年も相手を信じて待っている愛をいっていると思ったけど、そうじゃなくて、これは、母の子供への愛をいっているんだ。
クリスは戦場での心の空虚を埋めるためにキムと暮らしたし、キムは戦争で家も焼かれ、親の頭が切り離され。。とかいっているし、こんな悲惨で暗い、人生はいやだと思っています。
子供に２度と自分と同じ悲惨さや惨めさを与えず、夢と希望に溢れたチャンスを得るには、アメリカで生活させたい。つまり、キムの自分が死んでも子供をアメリカで生活させるには、あそこで死ぬしかなかったのです。これを「究極の愛」だといっているんじゃ。。だって、クリスとエレンは最後で、どうしてもだめなら子供だけ引き取るしかないけど、できれば仕送りするからここで、２人で生きてくれって、話し合いにきたのではないでしょうか。キムは、エレンとあって、このままじゃ、子供をひきとってくれそうにないと直感したのでしょう。
やっぱ、死ぬことは、ひとつのキムの賭けだったと思いました。
ちょっと、無謀で一人よがりな愛だけど、これが母の息子への究極の愛の形だったのだと思います。
つまり、エンジニアがビザがほしくて、アメリカ行きの切符だといっていますが、キムのほうこそ、ひょっとして、クリスを息子を幸せにするための、アメリカ行きの切符と思っているような気がしてきました。

なんだか、エンジニアが曲者で、ストーリーテーラーで、あれこれ操っているような気がしてたけど、実はキムが一番曲者のような気がします。
最後にキムが死んでかわいそうというより、してやったりって感じました。最後に勝利したのは、キムですね。ざまみろ。アメリカ人だったら、同じ状況で死を選べるか？選べないだろ。私は死んでまで、子供のことを考えたんだから、引き取って育てろ。育てないと一生苦しむぞ。どうだっていっているよう。
キムとクリスの間に愛などなく、キムとタムの究極の愛のストーリーなんだって感じました。