Re: 帝国劇場「エリザベート」山口・今・浦井・市川

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199. Re: 帝国劇場「エリザベート」山口・今・浦井・市川

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/5/30(15:25)

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帝国劇場「エリザベート」山口・今・浦井・市川を見てきました。
4回目。私にとっては、今回の公演最終日です。

レミゼみたいにいろんなキャストをできるだけ網羅して見たいと思ったのですが、思うようにチケットがとれませんでした。
フランツとトートはそれぞれダブルキャスト2回ずつ見ることができましたが、青年ルドルフは浦井さんだけ。エルマーは今さんを3回という結果となってしまいました。

今回みてふと思ったのですが、

内野トートは
1)主役はトートだ。
というより、歌でかなわない分、内野さんがものすごい迫力で声をだしまくるので、トートのほうが全然エリザベートより目立ったしまっている。それが、とても情熱的な、より人間的で、”男”としても魅力的に感じさせてくれる。120%全力投球でこの公演に望んでいる。力を抜くとか、主役を引き立てるうまい脇とかいうことを考えられる気持ちの余裕がない。もともとミュージカル役者ではないので、しかたないかな。テーマが「やらねばいけないことが、できない。やってはいけないことを、やらずにおれない。人間の欲望や性(さが)」のような気がします。つまりその(さが)をトートが激しく表現しているので、トートが目立ちすぎ、宝塚版と違いがだせなかったと思います。かっこいいのだけれど、エリザベートの生き方がかすんでしまい、つい宝塚版と比較して見たくなった。
2)ビジュアル的には、まさにはまり役。再演するなら、内野さんははずさないで欲しい。

山口トートは
1)主役はエリザベート。
最初は迫力なく、山口さんどうしたんだろうと思っていたけど、違うんだということがわかった。これは意図的におさえた演技をしなくてはいけないという彼の解釈ではないかと思いました。だからもちろん高音は安心して聞けるし、濁りのない声だけれど、淡々とややおさえた、内野トートと比べると、大人のトートです。トート主役の宝塚版とは違う、東宝版の意図(エリザベートの生き方をより深く表現したい)をくんだものになっているのは、山口トートのほうです。
テーマは「もがいても変えれない運命がある」のような気がします。エリザベートの運命をトートが静かに表現していたと思います。あくまで、主役はエリザベート。山口さんがトートのときは、エリザベートの生き方や心情をより集中して観劇できるように、山口さんは意識して演じてらしたような気がします。したがって、最後のシーンの歌詞が非常に感動して、宝塚版とは違う感動を得ることができました。
本来「エリザベート」とは、運命に果敢に立ち向かい最後まで自分らしさを見失うまいとした皇后をたたえるミュージカルではないかと思えます。
2)ビジュアル的には、今年が限界と思います。
あの体系では、再演するときは、岡さんか、石井さんか、またはいっそオペラ歌手にゆずったほうがいいと思います。ウィーン版のような若くてかっこいい”ロックンローラー”っぽい人もいいかもしれないです。または、四季の阿久津さんなどいかかでしょうか。

トートが違うと、全く違うテーマです。見るポイントが違っています。本来東宝版として正しいのは山口トートのほうですが、見るかたの好みにより、内野トートもなかなかです。これから見られるかたは、ぜひ2人とも見て下さい。

そして、一路さんのことを散々悪く書いたけど、今日見て、いや違うと思いました。
今まで、さんざん元宝塚トップの公演を見てきましたが、どれも元トップがこの程度の実力か。。。と物足りなさを感じましたが、これだけの大きな公演を、再演で、しかもロングラン。それもひとりで遣り抜くとは、やっぱそんじょそこらの元トップとは根性が違うと見直しました。それに年をおいてからのエリザベートは美しい。この大人の色気は現役のジェンヌさんでは、たとえ歌がうまかろうがかなわないでしょう。
今日の最後のシーンは圧巻だった。

そして、「不遇の皇后エリザベート」などといわれていますが、最後の昇天(今回は上へ昇らず棺桶にはいるのだけれど。。)のシーンの歌詞をきいて、果たしてエリザベートは不幸だったか?と疑問を感じました。いや、違う。彼女は幸せだった。美しいがゆえに、皇太子に気に入られて、一般の人とは違う人生を歩まざるをえなかった。それがゆえ、泣いたことも、悩んだことも、負けたこともあったが、「私は十分戦って、自分らしく生き抜いて、精一杯生きたのよ。こういう人生を生きた私を、誰が悪く言えて??私はがんばったのよ!!胸をはって、プライドをもって死んでいくわ。」っていっているように聞こえ、一生懸命精一杯生きた皇后に対する賛歌に聞こえました。”不遇”という言葉は彼女には適切な表現ではないと思います。それにフランツにあれほど愛されて。幸せだったと思います。この点、ダイアナさんと決定的に違う点です。「不遇の皇太子妃ダイアナ」ってミュージカル、だれか優秀な脚本家さん作って下さい。

もっと回数みれれば、全キャスト見たり、細かな違いや、じっくり深く見れるのですが、4回ではこれが限界でした。
あす千秋楽見れる人がうらやましい。残念!!!
ウィーンまたいきたいな。
いっそ、ロック版エリザベートとか、オペラ版エリザベートも企画して欲しい。
前も書いたが、レミゼコンサートみたいに、エリザコンサートを各国のメインキャスト、宝塚歴代キャストも交えて、日本でやってほしい。
轟、紫吹のルキーニ、姿月トートも生でみたい。
だれか金ある人、企画して下さい。

<内野トートにいたく感動して、彼のほかの舞台も見てみたいと思い、今日「モンテクリスト伯」のチケットを買おうとしたのですが、あっというまに初日 sold out。安寿ミラの「モンテクリスト伯」はかっこよかった。ぜひ比較したかったのだけれど、残念。

p.s.
それと、あすの深夜日本テレビでOSKの特集やるみたいです。HPに DVD の販売しているとあったので、大阪まで見にいけない分、購入しようか迷っています。あすのテレビみて考え様と思います。
12日には NHK で宝塚の特集やるみたいだし。これも見なくちゃと思っています。


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