東京芸術劇場「屋根の上のバイオリン弾き」

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187. 東京芸術劇場「屋根の上のバイオリン弾き」

ユーザ名: yasuko
日時: 2004/4/12(11:44)

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東京芸術劇場「屋根の上のバイオリン弾き」を観てきました。

まったくどういうストーリーか知らずに行きました。
バイオリン弾きの話だとばかり思っていたけど、こういうストーリーとは全く知らなかったです。
最初にこのタイトルはどういう意味か説明がありますが、「屋根の上でバイオリンを弾くということは、実に難しい。バランスをとりながら、控えめに引かないといけない。それはまるで、貧しいユダヤ人がしきたりどうりに、生きていくのに似ている。」

1回しか観ていないので、深く理解はできなかったのですが、実は悲しいお話かもしれないです。でも、それを笑いをいれて暗くならずにさらっと表現しているところがいいのです。
差別や、不幸や、理不尽さに立ち向かって戦うのも一つの生き方です。でも、どうしても、こちらが間違っていなくても、こちらが被害者でも、どうしても納得できなくても、どうしようもなく、あきらめなければ行けないこともあるのです。時代の中で、力強く生き抜くためには、それをいつまでも嘆いて、怨んでもしかたないのです。生きるためには前進しなければ行けないのです。
そのために、屋根の上のバイオリンを弾き」のように、たとえ不本意でも、バランスをとりながら、前へ進んで、生きることを選ばざる得ないというお話だと思いました。

しかし、これは、市村、夏木の両ベテランが主役をやったから、見ごたえがありましたが、他の役者でこれだけ笑いがとれただろうかと思います。
この2人の実力はすばらしいです。
私はユダヤとかは、関係なく、ただ家族を愛するお父さんとそれをささえるたくましいお母さんのお話ともとれました。

最初は娘を縁談で金持ちに嫁がせようとしているところなどは、日本の昔の封建制度を観ているようで、ちょっとむかつきましたが。。
お父さんが自問自答するシーンで、結局娘の幸せを第一に考えて結論を出すところは泣かせますね。

また、長女の夫のモーテルが情けない弱々しい男なのだけれど、これをあの駒田さんがやられているのには、驚きです。これがあのテナルディエをやった人かと。。。何をやらせてもすばらしい。毎公演いろんな役を見事にやりこなしていらっしゃる。同じ人とは思えない。

他には、何気にコザックダンスみたいなのを踊るときのソロ、お化けの役のソロの歌がオペラ歌手かと思うくらい異様にうまかった。結構アンサンブルも実力者ぞろいだったと思います。

それと、娘たちの箒をすべらせるシーンがことごとく成功してキャッチできていたのは、ちょっと感動しました。あれ失敗したらカッコ悪いだろうな。。

次女の婚約者役のソロ歌が下手すぎ。あれに拍手はおくれない。NHKの歌のお兄さんらしいけど、もうすこしうまい人キャスティングしてほしかった。

また、娘たちのロング丈のスカートが地味なんだけど、おしゃれで、ちょっと注目してしまいました。結構素敵な柄で、あれほしい!とか思ってオペラグラスでおっかけてました。

4人の娘役はみんな今一つだった。香寿さんは、いまいち実力を発揮できる役ではなかったような気がします。元トップで実力はあっても、彼女自信がちょっと地味めの顔だから、こういう役しかこないのかな。。。

最後に、市村さん、夏木さん。絶対文化勲章与えて欲しい。日本の演劇界に貢献度大です。
でも、この公演すごくおもしろかったかというと、ちょっと疑問です。一度は観とくべきかもしれないのですが、2人の”業”にたよりすぎの公演だったと思います。


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