[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2024/11/29(00:51)]
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今年の東京芸術劇場のミュージカル月間の最後の3作目「ハムレット」を観てきました。
出演者は安寿ミラ、旺なつき、植本潤、天宮良、栗田芳宏、間宮啓行、山谷勝巳、川内大和。8人だけです。
振り付けの舘形比呂一さんがところどころに踊り等で登場。
伴奏はピアノだけで、最初から最後まで音楽担当の宮川さん自ら頑張っていらっしゃいました。
低予算、小人数だけにひとりの負荷がものすごく高そうな舞台でした。
見終わっての感想は、
これだけの人数で、全部の役をやりこなすので、相当大変だったろうと思います。
それに何より、シェークスピアのせりふが古典的で堅く、多くて、それを機関銃のようにしゃべりまくります。たぶん、だれもあれだけのせりふを3時間近くかまなかったと思います。プロの業というか、意地を見せていただいたような気がします。すごいよ、彼らは。
初演のDVDを買ってみていたのですが、DVDを観る限りあまり面白いとは言えなかったので全然期待していかなかったのですが、今回の再演のほうがずいぶんすごくなっていました。
以前四季の「ハムレット」を観た時は、やっぱり教養のない私には、シェークスピアは無理だ。背伸びせず、無理な物は今後疲れるので観るのはやめようと思ったものですが、この「ハムレット」は最後までついていけました。せりふのやりとりは結構迫力ありました。堅くて一般の人には敬遠されがちな「ハムレット」をあえてミュージカル仕立てにして、チャレンジしたのは評価に値すると思います。
それに、男が女をやり、女が男をやるなんて、よく発想したものだ。
野村まんさいの全員男の「ハムレット」は観てないけど、ひょっとしたら、野村バージョンは、安寿バージョンを観てヒントを得たのかな。。どっちが先かは知らないけど。。。
植本さんのオフェーリアなんて、あの顔であの声で、途中でかつらとって禿頭になって。。普通なら、笑うとこなのに、ソロの歌なんてせつない思いが伝わってきて、聞き入ってしまいました。
安寿ミラも初演より、歌よくなっていました。はっきり言って初演はいまいちのできだったのかも。。ずいぶん改善されてすばらしくなっていました。
今年の東京芸術劇場の3作品、甲乙つけがたく、すべてすばらしかった。
出演者もだけど、多くの応募作品の中から、この3作品を選んだ劇場の担当者にも敬意を表したいです。知名度などではなく、本当にいい作品をという観点から厳選されていました。満足させていただきました。来年も期待しています。
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