[掲示板: ミュージカル一般 -- 時刻: 2025/4/7(09:30)]
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ミュージカル座「ニューヨーカーズ」六行会ホールを観てきました。
本当は千秋楽の月組を観て、伊東恵里の歌を聴きたかったのだけれど、どうしても宝塚星組の千秋楽を観たくて、時間の都合で星組を観ました。
最初の滑り出しと、最後の占めがすばらしくよかったです。
この最後と最初は主役のジェイソン役の高野さんの長いせりふなのです。最後まで来て、今回は全く泣かなかったと思ったら、最後の最後でぐっときてしまいました。(グランドゼロで祈りを捧げるスカーフをかぶった少女が米軍の爆撃で死んだアリファにそっくりだと言うシーン)
時期が時期だけに、同じ題材のミュージカルが他の劇団でも数多く今年は上演されています。この題材をとりあげればマスコミも注目するし、何かと客を呼びやすいかもしれないです。なかなかしっかり練習され、脚本も練られてはいると思うのですが、いろいろな登場人物のそれぞれの人生を念入りに描きすぎて、ちょっと的が絞れないような気がしました。思い切ってだれかの細かなストーリはカットしたほうがわかりやすかったような気がします。
宝塚や四季のファンは上演期間が長いので、たいがい2,3回、多いときは5,6回見に行くものです。だから、1回目つまんなくても、徐々に出演者の演技に磨きがかかって、または観る側も理解が深まり、良さが観れば観るほどわかるのです。でも、上演期間が1週間程度だと、おそらくみんな1回しか観れないし、1回で理解させ、1回で感動させるには、シンプルにしないと焦点がボケるような気がしました。オリビア、アンドリューよりもバーバラをもっとフューチャーした脚本にしたほうがシンプルでわかりやすかったかも。。といっても、”オリビア、アンドリューがだめだったから、いっそなくなってもよかった”とかいう意味ではないです。お二人はよかったのですけど。。主題を言うためには、不要な部分はできるだけ省いたほうがわかりやすいと思うのです。
劇団の中心メンバーにそれなりに目立つ役をつけないとまずいとか気をつかったのでしょうかね。
同じ題材を扱った宝塚の「王家に捧ぐ歌」ははっきりいって目立つのは3人だけです。3人以外は確かに目立たないけど、全員で言いたいことを一生懸命、何度も何度も繰り返していて、観ている側に、これでもかって訴えかけて来ます。結局、誰が主役で、誰が目立つかはどうでもよく、何を一番言いたいかと、それを全員でどう訴えるかだと思います。
今回は文化庁芸術祭参加作品だから、私のような素人を感動させることより、プロの評論家うけをねらって、賞取りにいったのかもしれないですね。
長くなったけど、結論は、やっぱり申し訳ないけど、オリビアって主題を訴えるために必要な登場人物だったかな?トルストイの「戦争と平和」を原作にしなくて、いっそ9.11をテーマに全くオリジナルでもよかったのでは、いらない人物を思い切りカットしてわかりやすいストーリーになったと思います。
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