劇団四季「異国の丘」

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107. 劇団四季「異国の丘」

ユーザ名: yasuko
日時: 2003/9/14(18:51)

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劇団四季「異国の丘」を観てきました。

今回は6列目のセンターブロックで観れました。
秋劇場は狭くて、客席と舞台との距離が非常に近いので、よく見えてなかなかいい席でした。

1.石丸幹二
一度は話題の男前、石丸幹二を生で観てみたくいったのですが、いい男だった!!
四季にもこんなハンサムな男がいたなんて。。また、カーテンコールの笑顔がいい!!歌もうまいし、スーツのダンスシーンも決まっていた。もう少し背が高ければいうことなかったです。彼のラウル「オペラ座の怪人」を観たかった。

2.男性アンサンブル
四季を観るといつも感じることは男性アンサンブルの歌が力強いこと。しかし、ダンスパーティーのダンスシーンは男の振り付けがかっこ悪い。全然美しくない。どうにかならないものか。もちろんタップはいいです。所詮男と女じゃ足の筋力が違うので、音が力強い。タップシーンは数秒。もっと長く観たかった。それに”ばくちゅう”(変換できない)なんて女じゃできないし。。秋劇場じゃなく、もっと広い劇場でダイナミックなダンスシーンが見てみたい。ばりばりばくちゅうしてほしい。

3.ラブシーンが長すぎ!
本物の男と女性のラブシーンなんて見慣れていないので、なんかこんなに近くでやられると生々しく、観ていられなかった。やりすぎ。って観じたのは私だけだろうか。振り付けがやらしく感じた。ちょっと長すぎでは??

4.遺言のシーン。
一番泣けたのは、シベリアの収容所から帰国する仲間に、年長の男平井が、自分は生きて帰れないだろうし、手紙は没収されるから、遺言を言うから暗記して妻に伝えてほしいというシーン。自分が生きて帰れるかどうか誰もわからないのに、全員で覚えて誰かが必ず伝えようと一生懸命言葉をかみ締めながら覚えるシーンが泣けました。母へも、妻へも、子供に対しても、こんな言葉を残すなんてかっこいい。
このシーンでは涙を拭きたくなく、流しっぱなしで泣きました。

5.異国の丘
異国の丘って歌はよくNHKの懐かしのメロディーで聴くけど、元気よく歌うと軍歌みたいで鼓舞する歌かと思ったけど、こういうシチュエーションで聴いて、こんな意味の歌だったんだと感銘しました。名曲です。

6.和平のために
この舞台は過去の戦争の不幸や、裏で画策して和平を望んだ人の苦労や、こんなことを繰り返さないようにしようという過去の戦争に対するメッセージだとは思いますが、私は、今日本と他国との間で現在起こっている事態と同じだと思えてなりません。

自分の家族を相手の国に殺された場合、いくら両国の平和のためといえ、その恨みを忘れて相手国を許すことができるだろうか。日本もむごいことを隣国にたくさんしているんです。お互いに被害者であり、加害者なのです。

不当に収容されて実際に過酷な生活を長年している人がいるということを世界中が知っているのに、誰も手出しできないという事実。シベリア抑留も11年もほったらかしだったなんて、どうしてもっと早く返せなかったのか。拉致家族がさっさと帰れないという事実を世界中が知っているのに誰も強く言えないし、無視されている理不尽な事実が現在あります。

そして、この事態の解決のため、命をかけて、裏で奔走している人がおそらくわれわれにはわからないけど、いるだろう。そして、どうしてもわだかまりのとけない人やばかな統率者がそれを邪魔しようとしているかもしれない。そしてもうちょっとで歴史的な和平が達成されようとしていたのに、だれかの不用意な暗躍により努力が水の泡となったりしているのだろう。

みんな自国を愛し、自分の信じたことが正しいと思って行動していると思いました。しかし、統率者の間違った指導、偏った報道により、国民を無駄に間違った方向へ鼓舞することで、悲劇が起きたと言うシーンがありました。まさに今も同じことが繰り返されている。戦争という形ではないですが。。
(ここであまり政治的や込み入った意見をいうと問題があるので、このへんでやめめます。もっといろいろ意見はあったのですが。。。言い過ぎてたら、すいません。)

全体的に暗く、重い舞台でした。でも子供から、年配のかたまで、男女さまざまな客層がきていました。早くも千秋楽が決定して、さほどロングランにはならないようです。9月の連休が長期休演日なんて。。楽しい舞台が好きなかたには、向かない舞台でしょう。でも、遺言のシーンでは、もし自分が同じ立場だったらと思ってしまい、いっしょに懸命に暗記しようとついしてしまいました。
年配のかたはつらくて反ってみたくないかもしれないです。お勧めかどうかは何とも言えません。でも、こういうある種タブーな差別や偏見に満ちた意見を正々堂々と出演者にせりふで言わせ、こういう理不尽なことが実際にあったんだと史実を正面から伝えている四季は立派だと思います。四季という劇団の”存在意味”はただの娯楽や文化にとどまってはいないと感じました。
こういう舞台は戦争をしらない学生がみたらいいかもしれないです。たぶん、つまんないと思うとは思いますが。。。

P.S.
日本中でいろいろな公演が同時に上演されていますが、出演者がダブってキャスティングされています。ってことは、同じ人が2,3種類の公演を同時期にダブって出演しているってことですよね。3時間程度のせりふ、歌、踊りを2,3公演分暗記しているってすごい記憶力。神業だ!!


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