OSKの第1の魅力はそのダンスレベルの高さです。 ショーやレビューの公演が多い劇団であることがその理由だと思います。 個々人のレベルが高いのはもちろんですが、群舞における振付の揃った様子は 他の劇団の追随を許しません。個人的なハイレベルな人は劇団四季や宝塚 歌劇団にもたくさんいますが、これほど全員のダンスのレベルが高い劇団は ないと言ってよいでしょう。
宝塚歌劇団の本公演ではその組の全員が出演しますが、OSKではそうでは ありません。各所で複数の公演を行っているからというわけではなく、 その公演に出られる実力があるかどうかで決まっているようです。また、 OSK FACE という年1回発行される劇団員名簿の序列は完全に成績順で、 宝塚歌劇団のように学年・成績順ではありません。この成績は毎年行われる 試験と出演した舞台の数で決まります。
しかし、OSKの最大の魅力はその親しみやすさではないでしょうか。 劇団員個人のファンクラブも存在しますが、宝塚歌劇団と比べると はるかに規模が小さく、劇団員とファンの距離は非常に近いです (ベルばら以前の宝塚歌劇団もそうであったようですが)。
あやめ池の定期公演を観るとわかりますが、衣装は使い回しが多いですし、 音楽は録音です。劇団員の人件費も安いです(劇団レッスンなどなく、 個々人が自費でレッスンに通っています)。 だからあやめ池遊園地での定期公演の観劇料も安く抑えられるわけです (公演期間が長いのも安い理由の1つです。 総経費を公演日数で割って算出しているのでしょうか? 本来なら内容に 見合った金額を取るべきだと思うのですが)。 一般入園客の観劇料も安いのですが、さらに驚くべきことに、 OSK後援会会員はあやめ池定期公演の観劇料は非常に低額です (遊園地の入園料は無料となる)。 (実は2001年までの後援会員料金は遊園地の入園料が半額で 観劇料は無料でした。これまでも人数の計数はしていましたが、 現在の料金体系の方が自分の力で金を得ているという自覚が できて望ましいと思います。)
しかし、リストラによる劇団員数の削減、OSK日本歌劇学校の休校、 賢島宝生苑公演の終了など劇団を取り巻く環境は非常に厳しく、 そしてついに2003年5月をもって親会社の近鉄は劇団への支援を 打ち切ることを発表してしまいました。経営的に苦しい部門であった とは言え、近鉄劇場、小劇場の閉鎖と共に、文化を軽んじる会社という イメージが定着してしまうことは避けられないでしょう。
トータルで考えればOSKというレビュー劇団を 抱えていることはプラスになるのではないでしょうか。 (新しいスポンサーに対してもこの論拠はかなりの程度まで成り立つ 図式だと思います) その上で以下の提言をしてみます。