『キャンディード』観てきました(長文)

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[楽] 9. 『キャンディード』観てきました(長文)

ユーザ名: てしー
日時: 2001/6/23(03:51)

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初日、観てきました。

宣伝の仕方から想像するに、この作品の売りは演出家(宮本亜門)と指揮者
(佐渡裕)なのでしょうが、私はこの作品のチラシを見るまで佐渡さんを知ら
なかったし、亜門さんの作品で面白いと思ったのは『I GOT MERMAN』だけだっ
たので、このミュージカルを観ようと思った理由は100%、出演者目当て。
バーンスタインの音楽自体が苦手だったので(『ウエストサイド〜』も、苦手
だった)、好きな役者が出てなかったら観る気にならなかったでしょう。

その為、先行予約が始まってからの、度重なるキャスティングの変更には冷や
冷やさせられました。
結果的には、お目当てだった石井一孝さんも岡幸二郎さんもシルビア・グラブ
さんも揃っての出演だったので、ほっとしました。
(良い作品を提供するためのキャスト変更だと言うことは分かっていても、
「違う人でも観たい」と思って多めにチケットを取ったので、出費は痛かっ
た。(T_T))

と言うわけで、出演者ファンから観た感想なので、そのつもりでおつき合いく
ださい。m(_ _)m

席は、1階14列センターブロック。実質10列目?
国際フォーラムCホールで1階席というのは初めてでした。
もうちょっと後ろの方が、舞台の床がよく見えただろうけど、照明だけで見せ
る小舟など、辛うじてわかりました。
席に着いたときは、「これで前の席の人が座ったら見えにくそう」と思ったけ
ど、実際に前の人が着席しても、特に気になることはありませんでした。
勿論、座高が高い人だったら辛いだろうけど、一応、千鳥配列になってたの
で。

初日のせいか、テレビカメラらしき撮影隊がいました。
開場前の様子や、入場するところ、開演前の様子など撮ってたようです。。
恐らく、終演後のカーテンコールなども撮ったでしょうが、スタンディング状
態になってたので、よくわかりませんでした。

作品について、これはネタバレしても構わない内容だと思うし、むしろ知って
た方が理解しやすいと思うので、ネタバレを気にせずに書いちゃいます。

これは、ナンセンス・コメディって言っていいのでしょうか?
「能天気な主人公の馬鹿馬鹿しい冒険談」という印象なので、共感できるとこ
ろはないし、「一言言ってやりたい」キャラクターがいっぱい。
恐らく作者は逆説的にこの作品を作ったのだろうと思われます。
だから、目の前で起こってる事柄に対しては、「ばっかみたい」と素直に笑っ
ちゃっていいのでしょう。
いえ、「事柄」に対してじゃなく、その事柄に対するキャラクターの行動や思
想に対してと言った方が良いかも。
起きる事柄は、戦争や、それにまつわる悲劇ですから。

そんな能天気な作品ですから、「押し寄せる感動」というのはありませんでし
た。
好きなキャストが出てないなら、1回観ればいいや、って思ったでしょう。
(出てても思ってる…かも(^^;))
もっとも、岡さんが出てなかったら、「ミュージカル」で紹介されてるあの場
面やあの場面は、きっとつまらなかっただろうから、岡さんをキャスティング
したことは、この作品に対しては大正解でしょう。
今回は、「原作通りなのにまるであて書きのような役」との事なので。
ただ、「しょっちゅう見てる岡幸二郎」ではありますが…。(^^;)

今回は、「この人の歌が辛い…(/_;)」というのはありませんでした。
日本のミュージカルにしては珍しく。(笑)
オペラ組とミュージカル組の声質の違いは感じますし、なぜか、キャンディー
ド役の石井一孝の声だけが大きく感じられ、他の人は、岡さんも含め、オーケ
ストラの音に負けてたのが気になりますが。
席の違いによるのでしょうか。
普段、オペラの人はマイクなんて使わないでしょうから、マイクを使ったとき
の声のボリュームがわからないのかも。
それにしても、岡さんの声まで小さく感じてしまったので、ちょっと残念。

私はブロードウェイ再演版のCDを聞いてたのですが、その時より、パケット
(シルビア・グラブ)やオールドレディ(中島啓江)の歌が少ない気がしまし
た。
ソロナンバーこそなかったけど、しょっちゅう出てきては歌ってたような気が
したのに。
CDには無い曲もあったから、全体の割合でそう感じたのかも知れません。

お目当て以外で気に入ったキャストは、パングロス役の黒田博さん。
まともにストーリーを追っていくと、諸悪の根元と言いたくなるほどの「台風
の目」のキャラクターなのに、なぜか憎めない、とぼけたキャラクターで魅力
的でした。(*^^*)
当初、岡さんと二人でマキシミリアン役にキャスティングされてたので、それ
を観られなくなったのは残念でした。(この人の女装は一体どうなんだろう?)

それから、石井一孝が、この能天気な悩める青年(?)を嫌みなく演じてい
て、作品の中での位置づけに矛盾点が無く、良かったです。
殆ど出ずっぱりなので、大変そうです。

岡田眞澄さんは、キャラクターはとても合ってたと思われますが、セリフを噛
みまくってたのが辛いです。
4〜5回はトチってたかな。

話が前後しますが、同行の友人が「オーバーチュアを聴きに来たの」と言って
たせいか、私も、オーバーチュアはゆっくり聴くつもりでいたのに、まるで
フィナーレのようにキャストが次々と出てきてお辞儀をして拍手を貰ってたの
で、正直、ぶったまげました。(^^;)
この時点で、「今まで観たことがないミュージカル」を観た気分になりまし
た。(笑)

ここまで書いてきて、肝心の「面白かったかどうか」を書いてないことに気付
きました。(^^;)
う〜ん…その答えは難しいです。
「面白かった」とも言えるし、「面白くない」とも言える。
これは、ラストシーンでキャンディードが答える「この世」の答えに似てます
ね。

観るたびに感想が変わる作品のような気がします。

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